内科 インタビュー

「いい感じ」な人生に寄り添う、手段としての医療を。家庭医療の専門家、しらみず診療所が提供する「いきつけの町医者」のかたち

更新日:2026/08/25
白水 雅彦

インタビュー

白水 雅彦

「いい感じ」な人生に寄り添う、手段としての医療を。家庭医療の専門家、しらみず診療所が提供する「いきつけの町医者」のかたち

「用がなくても立ち寄れて、ただ話して帰るだけでも、どこか癒される。病気のあるなしにかかわらず、その人の人生に伴走できる。そんな『いきつけ』の場でありたいと思っています」

そう語るのは、佐賀市駅前中央にあるしらみず診療所の白水雅彦所長だ。

子どもから高齢者まで、臓器や診療科で区切らず、暮らしの中の「困りごと」から診るしらみず診療所のあり方を、白水所長は「古くて新しい町医者」と表現する。

しらみず診療所は、1999年1月に外科医・漢方医である白水倶弘氏が開業し、2022年9月に息子の雅彦所長が二代目として引き継いだ。

日本プライマリ・ケア連合学会が認定する家庭医療専門医であり、沖縄の離島や北海道で家庭医療の研鑽を積んできた白水雅彦所長に、診療で大切にしている考え方と、これまでの歩みを聞いた。

しらみず診療所
白水 雅彦
白水 雅彦
所長
日本プライマリ・ケア連合学会認定 家庭医療専門医。漢方診療にも対応する。
佐賀大学医学部医学科を卒業後、2014年より沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修。2016年からはプライマリ・ケアコースとして内科・救急・小児科・整形外科などを経験し、家庭医療と出会う。2018年には同センター附属渡名喜診療所で離島医療を担い、2020年からは医療法人北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニックで家庭医療の研鑽を積んだ。2022年9月、父が開院したしらみず診療所の二代目所長に就任し、2024年には医療法人フルライフパートナーズを設立。外来から在宅までを一貫して支える地域医療に取り組んでいる。

気軽に寄れる「いきつけ」の診療所

佐賀市駅前中央に佇むしらみず診療所。「おうち」がコンセプトの診療所だ
佐賀市駅前中央に佇むしらみず診療所。「おうち」がコンセプトの診療所だ

―しらみず診療所が、診療の中で大切にしていることをお聞かせください。

白水:気軽に足を運べて、話して帰るだけでもどこか癒される、そんな「いきつけ」の場所でありたいということです。

体調が優れないときだけ駆け込むのではなく、暮らしの中に自然に組み込まれた場所として使っていただけたらと思っています。

ここに来ることを楽しみにして、ほっとして帰っていただく。

そういうことも、私たちが提供できる価値の一つだと考えています。

医療を届けるだけでなく、その方の生活の一部になれるような診療所を目指しています。

―診療以外でも立ち寄れる工夫をされているのでしょうか。

白水:院内に小さな図書館を設けています。

名前を書かずに借りられて、返す時期も自由です。

診療と関係なく、本を借りにだけ来ていただいても構いません。

七夕の時期には短冊を飾るなど、足を運ぶきっかけづくりも続けています。

目指しているのは、沖縄の言葉でいう「ゆんたく」、つまり楽しくおしゃべりをしに来られるような、家のような診療所です。

待合室には床暖房を入れて、自分の家のように過ごせる空間にしました。

「病院らしくない」と言っていただけることが、私たちにとってはほめ言葉です。

「町医者」の専門家、家庭医療専門医

しらみず診療所 白水雅彦所長
しらみず診療所 白水雅彦所長

―「家庭医療専門医」について教えてください。

白水:通常、各診療科、各臓器の専門医は、「この病気をどう解決するか」という視点で疾患を診ていきます。

一方で家庭医療では、患者さんの「困りごと」を起点にします。

その症状が、その方の暮らしの中でどんな意味を持つのか、本当に困っていることは何なのかを一緒に探り、納得のいく説明を組み立てていきます。

ですから、年齢も、性別も、からだの部位も問いません。

産前産後のご相談から、お子さんの発熱や予防接種、働く世代の生活習慣病、高齢の方の認知症や看取りまで、一つの窓口で受け止めます。

床ずれや魚の目、粉瘤の処置、傷の縫合といった小さな外科的な対応もしますし、院外では地域の学校医も務めています。

「家庭医療専門医」という資格は、複数の学会が2010年に合併して日本プライマリ・ケア連合学会となり、制度として整えられてきた比較的歴史の浅い領域です(※1)。

学会が公表している家庭医療専門医は751名(2026年6月28日時点、※2)で、ここには病院に勤める医師も含まれますので、診療所を拠点に子どもから高齢の方まで継続して診ている家庭医は、その一部にとどまります。

―「なんでも診る」ことを、専門として選ばれたということですね。

白水「なんでも診ます」と掲げるだけでなく、専門医としてそれを裏づけるために、家庭医療に関する研修と学習を重ねてきました

昔ながらの町医者は、暮らしごと診る良さを持っていました。

それを専門的な学びの上に、現代のかたちでもう一度実現したいと考えています。

これが、私が目指す「古くて新しい町医者」のあり方です。

―「家庭医」による診療の特徴はどんなところでしょうか。

白水:総合病院が追求するのは、いわば医学的に100点の治療で、患者さんもそれを求めて受診します。

けれども、一次診療においては、医学的な100点が正解とは限りません。

その方の価値観や、仕事、家庭といった背景に照らすと、別の選択肢が合うこともあります。

私は、医学的に譲れない最低限のラインは守りながら、その方の性格や考え方と擦り合わせ、「60点、70点」のところに着地させることを心がけています。

そのさじ加減こそ、家庭医の腕の見せどころだと考えています。

―診療には、漢方も取り入れています。

白水:西洋医学的な処方だけでは十分に良くならない方もいらっしゃいます。

漢方という選択肢を持っておくと、そうしたときに対応の幅が広がります。

漢方は保険診療でも用いることができますので、症状や体質、その方の希望に合わせ処方します。

当診療所を開業した父も漢方を積極的に取り入れていましたので、私もそれを引き継いでいます。

※1:日本プライマリ・ケア連合学会の沿革については「総合診療医という選択」(日本プライマリ・ケア連合学会とは)を参照。
※2:日本プライマリ・ケア連合学会「家庭医療従事者を探す」(2026年6月28日時点の掲載数。更新保留者・休会者を除く)。

医療は手段。行き着く先は「いい感じ」

しらみず診療所 院内の様子
しらみず診療所 院内の様子

―診療の土台にある考え方を教えてください。

白水患者さんをはじめ、スタッフなど関わるすべての人にとっての「いい感じ(ウェルビーイング)」を実現することです

診療所のミッションが指す「その人らしい幸せ」も、「いい感じ(ウェルビーイング)」と言い換えることができます。

医療というのは、本来、その方が幸せに暮らすための手段の一つです。

ところが現場では、手段が目的にすり替わりやすいと言えます。

薬を飲むこと自体が目的になってしまい、肝心の体調や暮らしを置き去りにしてしまうような状況です。

先ほどもお話ししたように、医学的な正解がその方にとっての正解とは限りません

だからこそ、医療を提供して満足するのではなく、何のためにその選択をするのかを患者さんと一緒に確かめることを大切にしています。

―「いい感じ」を目指す哲学には、どのような思いがありますか。

白水:西洋的な発想では、数値は好ましい方向に上がれば上がるほどよいと考えがちですが、私は人の幸せは、高すぎも低すぎもしない、「ちょうどいい」ところにあると感じています。

これを「いい感じ」と表現しています。

東洋思想でいう「中庸」に近い感覚です。

医療を受けることも、私たちとの関係も、この診療所に通うことも、すべてが組み合わさって心とからだがちょうどいいところに落ち着けば、それが幸せにつながります。

この診療所に来て話すだけで気持ちが整い、次の通院までの期間を「いい感じ」で過ごせる。

そんな関わり方も、医療の一つのかたちだと考えています。

会話しながら、患者さん自身による決定を後押し

白水所長が赴任していた離島、渡名喜島の風景
白水所長が赴任していた離島、渡名喜島の風景

―診療では「よく話し合う」ことを大切にされています。

白水:医療者の意見を押し付けるのではなく、患者さんご自身が理解し、選ぶことが大切です。

そのために対話を重視しています。

背景には、心理学の「自己決定理論」という考え方があります。

自分で決められること(自律性)、できるという手応え(有能感)、人や社会とのつながり(関係性)が満たされると、人は良い状態に向かっていくとされます。

ところが医療の場面では、「病気のことはわからない」「先生にお任せします」と多くの選択を医療者に委ね、自律性を手放してしまいがちです。

それでは、なかなか前を向けません。

―患者さんが「自分で決める」ために、どんな工夫をしていますか。

白水:いきなり大きな決断を求めるのではなく、小さな決定から始めます。

風邪の診察でも、「胸の音を聞いていいですか」「お薬はどうしますか」と一つずつ確かめます。

「薬は飲みたくない」と言われれば、飲まない場合に起こりうることをご説明したうえで、漢方にするか、剤形を変えるかなど、一緒に落としどころを探します。

こうした小さなやり取りを重ねることで、自分で選ぶことが習慣化されていきます。

自分で決めたことなら、思うような結果にならなくても、納得して受け止められます

逆に、人任せにした決定は、後から悔いが残りやすいものです。

自分で決めるにあたって不安や疑問があれば遠慮なく話していただけるよう、壁を低くしておくことは意識しています。

専門医との連携は「グラデーション」で

渡名喜診療所時代の白水所長
南部医療センター時代の白水所長

―「なんでも診る」診療のなかで、専門的な治療が必要なとき、どのように連携していますか。

白水:家庭医の専門性の中には、患者さんの状態を見極めて、適切なタイミングで専門医へつなぐ「調整」と「包括性」があります。

当院で診るより専門医に任せたほうがよい領域は、無理に抱え込みません。

ただ、紹介したら終わり、ではありません

紹介した後も、一緒に診ていきます。

専門医の説明をどう受け止めればよいか、何を質問すればよいか。

患者さんが納得して治療を選べるよう、意思決定のお手伝いを続けます。

たとえば訪問診療では、専門医のもとで主要な治療を続けながら、普段の全身管理や疼痛、何かあった場合の往診対応などを当院が担うといった場面があります。

線を引いて渡すのではなく、専門医と家庭医が「グラデーション」のように重なりながら支える関わり方を心がけています。

サッカー少年から家庭医へ

渡名喜診療所時代。渡名喜島公式キャラクター「ふくぎのフーちゃん」と
渡名喜診療所時代。渡名喜島公式キャラクター「ふくぎのフーちゃん」と

―医師を志すまでの歩みを聞かせてください。

白水:少年時代はサッカーに打ち込んでいて、整形外科医になりたいと思っていました。

ところが高校1年の夏にけがをして、サッカーからは離れることになりました。

デザインや建築にも興味がありましたが、兄が建築家の道に進んだので、なんとなく同じ道は避けたい気持ちがありました。

そうした中、医師だった父の姿を見て、改めて「医者も面白そうだ」と思い、医学部を選びました。

―特定の診療科を目指さなかったことには何か理由があるのでしょうか。

白水:私は一つのことを突き詰め続けることが得意な性格ではないかも知れません。

飽きやすい性分もあって、医師としても「幅広く診る」ことに関心が向いていったように思います。

佐賀大学を卒業し、沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで研修しました。

沖縄での研修は、救急車も外来も、子どもから大人まで同じ場で受け止める「ER型」で、そこで学びたい思いがあって選びました。

沖縄の離島や、雪深い北海道での診療

渡名喜診療所時代の白水所長(左から2番目)
渡名喜診療所時代の白水所長(左から2番目)

―その後、離島での医療を経験されます。

白水:研修中に上司から「島に行って診療できるよ」と声をかけられ、二つ返事で行くことにしました。

ここが、プライマリ・ケア、家庭医療の道に進むことを決めたタイミングです。

渡名喜島という離島に行きましたが、人口は約350人(※3)、フェリーは1日1本、天候によっては1週間船が入らないこともある環境でした。

島の診療所に医師は私一人で、内科も、こころの相談も、けがの処置も、すべて引き受けます。

そこでは、成功も失敗も、全て自分に返ってきます。

患者さんと話し合いながら目標を決めて、一緒に治療を組み立てていく。

その経験が、私の診療の土台になっています。

―佐賀に戻り、診療所を継ぐことになった経緯を教えてください。

白水:島で2年目を迎えたころ、父が倒れたという知らせが入りました。

島で診療しながら、地域に根ざすとはどういうことかを考えていた時期でもあり、父が築いた診療所をどうしようかと向き合ったとき、「いつかは帰らなければ」という思いが強くなりました。

―北海道での勤務を経て、佐賀に戻られます。

白水:佐賀に帰るのなら、家庭医療をもっと学んでおきたいと思っていたときに、たまたま参加した冬季セミナーで北海道の先生の講義を聞き、そのご縁で医療法人北海道家庭医療学センターに赴任することになりました。

北海道では赤ちゃんの予防接種から在宅での看取りまで経験し、2022年に佐賀へ戻って診療所を引き継ぎました。

振り返ると、沖縄も北海道も、いくつもの「縁」でつながっています。

知らない場所へ飛び込む好奇心と、「なんとかなる」という楽観が、私を動かしてきたのだと思います。

※3:渡名喜島は渡名喜村の全域にあたる(村はほかに無人島の入砂島を含む)。人口は2020年の国勢調査で346人、直近では291人(渡名喜村役場「人口・世帯数の推移」、令和6年12月末現在)。

「生き方」は「逝き方」につながる。在宅医療とACP

沖縄の離島から、雪深き北海道・室蘭へ
沖縄の離島から、雪深き北海道・室蘭へ

―北海道で取り組んでいた訪問診療を、しらみず診療所でも取り入れています。

白水:通院が難しくなった方のために、在宅医療に対応しています。

外来で重ねてきた対話を、そのままご自宅や施設での療養につなげていきます。

地域には在宅診療を専門とするクリニックもあり、そちらへバトンをつないでいくことも、地域として備えておくべき選択肢の一つです。

そのうえで私自身は、最初から最後まで、できるだけ自分で関わり続けることを信条にしています。

外来で診ていた方が入院しても、在宅に移っても、関わりを切らさずに伴走したいと考えています。

―「看取り」をおこなうことも少なくないと伺いました。

白水:これまで患者さんの人生の最期に立ち会ってきた経験から言えるのは、医療や人生の選択を自分自身で決めてきた方は、納得して旅立たれるということです。

たとえ「失敗したな」と思う選択があっても、自分で決めたことであれば悔いは少なく、自分の選択、つまり自分の人生に満足して最期を迎えられます。

そうすると、ご家族も最後には笑顔になれます。

私たちが提供できるのは医療ですが、それは人生の選択を支える営みでもあります。

日頃の診療での小さな意思決定の積み重ねが、その方らしい最期につながっていくと考えています。

―その考えは、「Advance Care Planning(ACP、人生会議)」の取り組みにもつながっていますね。

白水:はい。ACPは、もしものときに望む医療やケアについて、本人とご家族、医療者が前もって繰り返し話し合う取り組みです。

国も2018年から「人生会議」という愛称で普及を進めています(※4)。

ただ、ここでも手段が目的になりやすい状況があります。

話し合うこと自体がゴールではありません。

大切なのは、本人の価値観や生き様を言葉にして、ご家族や周囲と共有していくプロセスです。

決まらなくてもいい。

考えが5年前と変わっていてもいい。

その揺れ動きも含めて、みんなで知っておくことに意味があります。

同時に、患者さんにとって厳しい内容であっても、率直に話せる場であることが大切です。

たとえば、よく言われる「ぽっくり逝きたい」という希望は、「薬を飲みたくない」という希望とは両立しないことがあります。

言いづらいことでも話し合えるよう、丁寧に環境を整えながら取り組むことが必要です。

※4:厚生労働省「『人生会議』してみませんか」。厚生労働省は2018年にACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を「人生会議」と定め、普及・啓発を進めている。

「人」ではなく「場」を、100年先へ

北海道時代、雪かきをする白水所長
北海道時代、雪かきをする白水所長

―先生が二代目所長となったしらみず診療所の「この先」を教えてください。

白水:いまは私自身が動ける範囲で力を尽くしている段階ですが、一人の医師が診られる人数には限りがあります。

私という「人」ではなく、この診療所という「場」が、地域の「いきつけ」として100年先も当たり前にあり続けることを目指しています。

しばらく足が遠のいても、何かあったらまた来られる。

そういう存在で居続けるには、診療所がなくなってはいけません。

そのために、2024年に医療法人フルライフパートナーズを設立しました。

「フルライフ」=「幸せ」ととらえ、関わる人それぞれの幸せを実現する場でありたいという思いを込めています。

考え方に共感した仲間を育て、増やしていき、私がいなくても、同じ考え方の診療が続くようにしたいと考えています。

―同志を増やすことや人材育成が重要ですね。

白水:佐賀のような地域では、待っていても担い手は増えません。

若手は一度外に出て学ぶ必要があり、そのまま戻らないことも多い。

だからこそ、佐賀にいながら学び、キャリアを積める仕組みを地元につくりたいと考えています。

具体的には、フェロープログラムや、看護師・事務長の育成にも取り組もうとしています(※5)。

年功序列ではなく評価制度を整え、子育てと両立しながらキャリアが途切れない働き方も実現したい。

この診療所が、医師に限らず、いろいろな職種がキャリアを描ける場にしたいと考えています。

地域づくりとしては、在宅医療と介護の関係者が顔の見える形でつながる「薫風会」というコミュニティを立ち上げました。

クラウドファンディングで活動資金を募り、年4回の交流会と、毎月の「お悩みミーティング」を続けています。

※5:2026年6月インタビュー時点の構想、しらみず診療所調べ

「こんなことを聞いてもいいのかな」と迷わずに

北海道時代の白水所長
北海道時代の白水所長

―佐賀の「町医者」として、地域の方へのメッセージをお願いします。

白水:「こんなことを聞いてもいいのかな」とためらって、受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。

からだのことも、こころのことも、暮らしやご家族に関するお悩みでも、迷ったら、まず話しに来てください

当院で対応できることは対応し、専門的な治療が必要なときは、適切な医療機関へ責任を持っておつなぎして、その後も一緒に診ていきます。

通院が難しくなっても、ご自宅や施設で過ごしたいという思いがあれば、在宅でお支えします。

大切なのは、一人で抱え込まないことです。

年齢を重ねても、最期のときまで、その方らしくいられるように。

そのための「いきつけ」として、長くお付き合いいただけたら嬉しく思います。

インタビューを終えて

医療は幸せに暮らすための手段であって、目的ではないと語る白水所長。

さらに言葉を借りれば、幸せとは「いい感じ」であること。

医学的な数値の改善のみを追求すれば、普段の生活や価値観が置き去りになる。

かといって、検査や治療をしなければ、病状は悪化する。

何かにかたよることなく、その人なりのちょうどよさ、つまり「いい感じ(ウェルビーイング)」を模索することが、幸せな生き方につながる。

そして、幸せに生きた終着点で、幸せに最期を迎える人に共通するのは、人生の選択を自分自身で決めてきたことだという。

これらの言葉は、家庭医の専門家として、離島医療や、看取りも含めて幅広い患者・症状を診てきた白水所長の口から発せられるからこそ、説得力をもって響く。

用がなくても行きたくなる、行くだけで癒されるという「いきつけ」のあり方は、白水所長の人柄をそのまま反映している。

たとえば、人を引きつけ、明るい気持ちにさせる親しみやすい笑顔や、さまざまな医療現場での経験に裏打ちされた強度のある優しさ、アクティブさと思慮深さの共存、そうした所長の「人」としての魅力が、「場」としての診療所の魅力になっている。

白水所長の視線の先にあるのは「自分」ではなく、佐賀の街に100年根付く「場」を残すことだ。

より多くの人がより幸せな人生を選択できるように、こんな「町医者」が日本じゅうに増えてほしい。

しらみず診療所について

しらみず診療所について
項目 詳細
クリニック名 医療法人フルライフパートナーズ しらみず診療所
所長 白水 雅彦(しらみず まさひこ)
クリニック紹介 1999年1月に外科・漢方の医師である父・白水倶弘氏が開業。2022年9月、家庭医療専門医(日本プライマリ・ケア連合学会認定)の白水雅彦氏が二代目所長として継承した。内科・家庭医療(総合診療)・漢方診療・訪問診療を一つの窓口で担い、外来から在宅・看取りまで一貫して伴走する。オンライン診療にも対応。地域の「いきつけ」の場となることを目指している。外来は朝7時から夜21時まで。
所在地 〒840-0801
佐賀県佐賀市駅前中央2-7-19
アクセス JR佐賀駅北口より徒歩約5分(診療所玄関前に駐車場あり)
電話番号 0952-34-1120
診療時間 7:00〜11:00(受付10:30まで)/17:00〜21:00(受付20:00まで)。診療日・休診日は曜日に関係なく日付ごとにカレンダーで設定(実際の診療日は公式サイトを参照)。
Webサイト https://www.kanpoukouza.com/
公式メディア note
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ご予約 予約制(Web予約・LINE・電話に対応)
インタビューした人
富井友樹
ライター
富井友樹
クリニックや医療機関を中心に、取材・執筆を多数担当。国指定難病の当事者としての経験を背景に、さまざまな困難や生きづらさを抱える人に寄り添う視点を信条としている。
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