千葉市稲毛区、国道16号線沿いの大型商業施設「ワンズモール」3階にある「スラージュ内科クリニック」。
内科全般を診療し、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のほか、関節リウマチ・膠原病、アレルギー疾患の専門的な治療にも対応する。
クリニック名の「スラージュ(Soulage)」はフランス語で「ほっとする」を意味し、「きっと、もっと、ほっとする」というモットーも、この言葉から来ている。
岩堀本一院長は、腎臓・リウマチ・透析を専門とする内科医で、米国スタンフォード大学で免疫学の研究に打ち込んだ経歴を持つ。
帰国後、2015年9月に同クリニックを開院し、生活習慣病を10年あまり診てきた岩堀院長はいま、予防医療に力を入れている(※1)。
その背景を、医師としての原点とあわせて聞いた。
※1:2026年7月インタビュー時点。
日本内科学会 総合内科専門医、日本腎臓学会 専門医・指導医、日本リウマチ学会 専門医、日本透析医学会 専門医・指導医、日本糖尿病協会 登録医・療養指導医、日本アフェレシス学会認定 血漿交換療法専門医、日本医師会 健康スポーツ認定医、日本旅行医学会 専門医。
健康に意識が向かう「入口」を増やしたい。予防医療への取り組み

―2015年の開院から10年を過ぎ、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
岩堀:この10年あまり、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を軸に、専門である腎臓病、関節リウマチやアレルギーなど、多くの患者さんを診てきました。
そのなかで強く実感しているのが、予防医療の重要性です。
病気になってから治すのではなく、なる前に予防するということに、しっかり取り組んでいかなければいけないと考えるようになりました。
すでに通院されている患者さんにより良くなっていただくことはもちろんですが、病気になる手前の段階から関わる手立ても必要です。
―予防医療に注力する背景を教えてください。
岩堀:糖尿病などの生活習慣病をはじめ、病気によっては、ご自身の意識が高まらないと、予防や数値の改善が難しい側面があります。
予防の基本は生活指導で、当院でも食事については管理栄養士が時間をかけて指導していますが、運動療法や食事療法になかなか関心が向かない方や、取り組みのモチベーションを保てない方もいます。
そこで、前向きになっていただくための別の入口を用意し、選択肢を増やしたいと考えました。
予防医療に関係するメニューを2025年11月から段階的に拡充

―具体的には、どのような取り組みを始められたのでしょうか。
岩堀:3つあります。1つ目が点滴を活用した健康サポートの取り組み、2つ目が肥満症治療、3つ目が美容内科的なアプローチです。
―1つ目の点滴から紹介してください。
岩堀:「点滴パス」という定額制のサービスを2025年11月に導入しました。
自由診療の点滴というと美容の印象を持たれるかもしれませんが、目的は体の内側から健康に向き合うきっかけをつくることにあります(※2)(※3)。
アンチエイジングや美容の目的もありますが、当院が目指しているのは、あくまで健康維持と、その先の予防です。
体の内側から健康に意識が向くきっかけになればと導入しました。
※2:点滴を活用した健康サポートの取り組みは自由診療(自費診療)で、費用は全額自己負担となる。注射・点滴では、注射部位の内出血や疼痛、発疹、アレルギー反応、下痢、頭痛などが生じる可能性がある。体質や持病によっては受けられない場合がある。適応・費用・リスクは診察時にご確認いただきたい。(出典:スラージュ内科クリニック公式サイト「健康・美容療法」)
※3:各取り組みの開始時期は2026年7月インタビュー時点、スラージュ内科クリニック調べ。
内科でおこなう肥満症治療。見た目も、健康も改善したいというニーズ

画像挿入 天井が高く、開放的な院内
―2つ目の肥満症治療についても教えてください。
岩堀:体重を落とすことは、糖尿病や脂質異常症にも良い影響をもたらす可能性があります。
食事指導はこれまでもおこなってきましたが、2026年2月末から注射による肥満症治療を始めました。
患者さんの反響は想像以上で、これほど多くの方が肥満に悩んでおられるのかと驚きました。
しかも肥満症治療に取り組む患者さんたちの目的として、「見た目を良くしたい」だけではなく、肥満を改善して将来の糖尿病や生活習慣病を防ぎたい、というものも多くみられ、予防医療へのニーズはあるのだと実感しました。
―肥満症治療はどのように進めるのでしょうか。
岩堀:まず診察と身体計測、採血、採尿をおこないます。
その約1週間後にもう一度来ていただいて、注射の指導をします。
3回目以降は体組成計で評価をしながら、投与量を調節するための診察をおこないます。
基本的には、毎月の受診が必要になります(※4)。
※4:同院の肥満症治療では、ウゴービ(有効成分セマグルチド)とゼップバウンド(有効成分チルゼパチド)を用いる。いずれも肥満症の治療薬として国内で承認された週1回投与の薬剤で、同院では自由診療(自費診療)となり、費用は全額自己負担となる。適応は高度肥満症(BMI35以上)、またはBMI27以上で肥満関連疾患(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)がある場合など。副作用として消化器症状などが生じる可能性があり、強い副作用がある場合や、3〜4か月使用して効果がない場合には治療を中止する。適応・費用・リスクは診察時にご確認いただきたい。(出典:スラージュ内科クリニック公式サイト「診療案内」)
美容をきっかけに健康への意識が高まる。「美容内科」への考え方

―3つ目の、美容内科についてはいかがでしょうか。
岩堀:美容内科では、シミの治療や顔のハリにアプローチする光治療のフォトフェイシャル、それに超音波で肌質の改善をめざすジェネオXという治療に対応しています(※5)。
―美容内科を導入されたきっかけは何だったのでしょうか。
美容医療は、美容外科や美容皮膚科など、美容に特化した科が担うことが多い領域でした。
そこに、美容そのものを主目的にはしない考え方が広がってきました。
美容を改善することで健康意識を高めて、生活習慣病を予防しようという気持ちを持っていただく、という考え方です。
この考え方に触れたことが、導入を決めたきっかけです。
シミや肌のハリが気になる方が、施術を通じて見た目の変化を実感し、体の内面にも目を向けるようになる。
その意識が、予防医療につながっていく。
美容への意欲もさらに高まっていく。
こういう好循環を生み出せればと思っています。
―見た目も健康も自分の体として地続きで捉える、前向きな考え方だと感じます。
岩堀:美容内科という分野を掲げる学会があり、そこで提唱されています(※6)。
糖尿病を長く診てきた私から見て、入口は違っても、向かっている方向は同じだと共感し、当院にも取り入れることにしました。
―見た目の若々しさと健康状態に相関関係はあるのでしょうか。
岩堀:研究の報告もあります(※7)。
見た目は体の状態を映している面もあると思いますし、見た目が変わると、気持ちも変わります。
その前向きな変化を、病気の治療や予防医療に活かしたいと考えています。
※5:フォトフェイシャルおよびジェネオXは、いずれもルミナス社製の医療機器を用いた施術。これらは自由診療(自費診療)で、費用は全額自己負担となる。施術後に赤みや乾燥、熱感が生じる場合があり、まれに色素沈着が生じる可能性がある。肌の状態や持病によっては受けられない場合がある。適応・費用・リスクは診察時にご確認いただきたい。
※6:一般社団法人日本美容内科学会。2023年10月17日に発足し、EBM(科学的根拠に基づく医療)に基づく美容内科医療を学会会員全員で構築していくことを目的に掲げる一方、この分野はエビデンスの集積がまだ少ないのが現状だとしている(組織概要)。『予防医療を美容から』は同学会オンラインセミナーのテーマ。
※7:Christensen K, et al. 「Perceived age as clinically useful biomarker of ageing: cohort study.」 BMJ. 2009;339:b5262. デンマークの70歳以上の双子1826人を対象としたコホート研究で、見た目年齢が若い人ほど生存率が高い傾向が報告されている。ただし本研究は、見た目年齢が老化の指標となりうることを示したもので、美容医療による介入が健康状態を改善することを示すものではない。
腎臓、リウマチ、糖尿病。広い専門性

―ご専門は腎臓内科で、リウマチの専門医もお持ちです。
岩堀:私が所属していた腎臓内科は、リウマチ・膠原病も診る腎臓内科でした。
その影響で、私も自己免疫疾患の診療に携わるようになりました。
糖尿病を診療科に掲げたのも、腎臓専門と銘打たず広く診たいという思いからです。
腎臓内科時代から糖尿病性腎症を診てきましたので、糖尿病治療も経験がありました。
―専門的な診療にも幅広く対応されていますね。
岩堀:関節リウマチや膠原病、花粉症などのアレルギー、片頭痛まで診ています。
たとえばスギ花粉やダニのアレルギーには、原因となる物質を少しずつ体に慣らしていく舌下免疫療法に対応していますし、片頭痛には、発作の起こる回数を抑えるタイプの注射薬による治療もおこなっています(※8)。
大きな病院に行かないと受けられないと思われがちな検査や治療を、モールのなかで、暮らしの延長で受けられることに意味があると考えています。
※8:舌下免疫療法は、スギ花粉やダニによる症状に用いる治療で、年齢や妊娠中など受けられない場合があり、頭痛や口内炎などの副作用が生じることがある。片頭痛に用いる注射薬による治療を含め、適応・副作用は診察時にご確認いただきたい。
米国で研究に打ち込む日々を経て、地域の開業医へ

―アメリカのスタンフォード大学では、どのような研究をされていたのでしょうか。
岩堀:樹状細胞の研究で、テーマは「免疫寛容」です。
免疫は本来、異物を排除するのが役割ですが、自分自身の体は攻撃しません。
これを免疫寛容と呼びます。
これをコントロールできれば、免疫を抑えて移植をしても拒絶を起こさないようにできますし、逆にがんなどを排除する方向に働かせることにもつながります。
国指定難病の全身性エリテマトーデス(SLE)やANCA関連血管炎のように、自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の病気にも関わります。
―一時は、米国での永住も考えられたと伺いました。
岩堀:当時は研究に傾倒していて、それなりにうまくいっていたこともあり、永住してずっと研究を続けたいと思っていました。
ただ、日本で取っている専門医の資格が4年で切れてしまうこともあって、すごく悩みました。
―結果、帰国されますが、どのように決められたのでしょうか。
岩堀:恩師に相談しました。
日本にも免疫学の教室があり、関連の病院ともつながりがありましたから、日本でも研究を続けられると思って戻ってきました。
帰国後もしばらくは研究を続けていましたが、開業するタイミングで、研究からは引退しました。
研究をやめたことでしばらくは寂しさもありましたが、開業後は当院で患者さんと向き合う日々に大きな充実を感じています。
―開業を考えられたきっかけを教えてください。
岩堀:もともとは研究者気質が強い性格だと思いますが、患者さんの診療にあたるうちに、しだいに臨床にやりがいを感じるようになりました。
しかし、組織に所属していると、組織としての力を発揮できる反面、個人としては制限もあります。
自分の力を100パーセント発揮したい、目の前の患者さんのために持てる力を出し切りたいという気持ちが芽生え、開業を決めました。
千葉・稲毛での開業と、土日診療

―千葉との縁は、どこから始まったのでしょうか。
岩堀:私の恩師である留学先の免疫学の教授が千葉大学のご出身で、日本に戻ってくるなら千葉においでよ、と声をかけてくださいました。
帰国後、その先生と旧知の病院長がいらした八千代の医療センターにお世話になったのが、千葉との縁の始まりです。
その後、数か月で幸有会記念病院に移り、約5年間在籍し、最後の2年ほどは副院長を務めた後に、当院の開業に至ります。
―ワンズモール内での開業は当初から考えていたのでしょうか。
岩堀:いえ、計画していたわけではありません。
実は開業前、このモールにあるスポーツクラブに通っていました。
開業する前年の年末年始のことですが、スポーツクラブに向かうためにエスカレーターを上がると、空き店舗がパッと目に飛び込んできました。
ここ、いいかもしれない、とピンときたのがこの場所です。
すぐに決めて準備を進め、9月に開院しました。
この場所にして良かったと思っています。
―モールのなかにあることは、患者さんにとってどんな利点がありますか。
岩堀:買い物や食事など、ほかの用事と合わせて立ち寄れるのは、大きいと感じています。
1500台分の無料駐車場があり、京成バスの停留所も近くにあります。
土日も開けているので、平日に時間を取りにくい方にも来ていただけます。
仕事や学校を休んで大きな病院に行く、という感覚の治療や検査を、日常の動線のなかで受けられるようにしたいと考えています。
―平日と土日で、患者さんの層は違いますか。
岩堀:平日に多いのは、60代の糖尿病の方です。
土日は30代、40代の会社員の方や、学生さんが多くなります。
モール全体が賑わう土日は当院の患者さんの数も増えますが、混雑対策として、自動精算機と、LINE・ウェブで予約できる予約システムを導入しています。
選択肢を多く用意し、無理強いしない

―「スラージュ内科クリニック」というクリニック名には、ご自身のお名前や地名が入っていません。
岩堀:開業時から、将来は呼吸器や循環器、消化器の専門医とも連携して、総合的に診られるクリニックにしたいという思いがありました。
いまは私一人と、隔週日曜日の非常勤の先生という体制ですが、専門領域にとどまらず、いろいろな分野に手を伸ばすようにはなってきました(※9)。
はじめにお話しした予防医療への取り組みもそのひとつです。
目標である総合的な診療クリニックに向けても、少しずつ前に進めればと思っています。
―予防医療の各メニューや、専門的な治療など、積極的に診療メニューを広げておられます。患者さんへはどのように案内しているのでしょうか。
岩堀:こういうものがありますよ、ということは、情報としてお伝えします。
そのうえで、興味を示してくださった方に提供しています。
どの診療についても同じですが、無理強いはしていません。
前向きになってくださった方のお手伝いをする、という関わり方を大切にしています。
また、どんな治療であっても、緊急を要するものや、すぐに大きな弊害があるものでない限り、がんじがらめになる必要はありません。
たとえば食事療法に取り組んでいても、ときどきは羽目を外したり、ご自身にご褒美を与えたりしていい。
その分を週単位で考えて、たとえば食べすぎた翌日のお昼あたりで調整していただけば良いと、そういう伝え方をしています。

―最後に、これから出会う患者さんへメッセージをお願いします。
岩堀:会社の健康診断で指摘された項目がある、若い頃と比べてちょっと体が重い、見た目を改善する治療を受けてみたい。
なにか気になることがある方は、ぜひ一度お越しください。
生活習慣病や腎臓病、自己免疫疾患などは、痛くないから大丈夫と思っていても、体のなかでは病気が進んでいることがあります。
健康でも美容でも、その方なりの入口から、予防医療や健康増進に取り組むお手伝いができれば幸いです。
※9:2026年7月インタビュー時点、スラージュ内科クリニック調べ
岩堀院長と話していて印象に残ったのは、語り口の控えめさだった。
無理強いせず、決めるのは患者本人だという姿勢は、どの話題でも変わらない。
一方で、健康への「入口」となる診療メニューは広く用意され、いずれも専門医としての豊富な経験に裏打ちされている。
健康や美容に関する身近な悩みでも、専門的な病気の治療でも。
ワンズモールの最上階、吹き抜けからそっと見守るようなクリニックの佇まいと合わせて、「スラージュ(=ほっとする)」を与えてくれるクリニックだと感じた。
スラージュ内科クリニックについて

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| クリニック名 | 医療法人社団登愛会 スラージュ内科クリニック |
| 院長 | 岩堀 本一(いわほり もとかず) |
| クリニック紹介 | 2015年9月の開院以来、千葉市稲毛区長沼町の大型商業施設「ワンズモール」3階にて、内科・糖尿病内科・腎臓内科・リウマチ科・アレルギー科の診療をおこなう。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病から、糖尿病性腎症の腎保護診療、関節リウマチ・膠原病、アレルギー疾患、睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療、抗CGRP抗体による片頭痛発症抑制治療まで幅広く対応する。管理栄養士による食事指導も実施。「きっと、もっと、ほっとする」をブランドメッセージに掲げ、2025年からは予防医療の取り組みにも力を注いでいる。 |
| 所在地 |
〒263-0005 千葉県千葉市稲毛区長沼町330-50 ワンズモール3F ※無料駐車場1500台(ワンズモール共用) |
| アクセス |
バスでのアクセス:JR「稲毛駅」から「ワンズモール前下車」(東口①番乗場) 草野車庫行き/こてはし団地行き(約20分) |
| 電話番号 | 043-286-0111 |
| 診療時間 |
【午前】10:00〜13:00(月・水・木・金・土) 【午後】14:30〜18:30(月・水・木・金)/日曜は14:00〜17:00のみ/休診日:火曜・祝祭日 |
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