営利よりも信頼を。水の森美容クリニックが20年貫くクリーンな診療と、「損して得取れ」の経営哲学
全国に展開する「水の森美容クリニック」。
2006年2月、名古屋での開院以来「あそこに行けば信頼できる」と患者の間で評判を集め続けている。
「営利を第一義にはしない」。
そう語る竹江渉総院長が貫くのは、美容医療業界における誠実さへのあくなき挑戦だ。
目先の利益よりも正しさを選び続けるその背景には、若き日に直面した試練の日々と、そこから導き出された独自の人生哲学があった。
領域を分けないトータルケア。個人の技術を組織の知恵へ
―まず、クリニックとして提供されている医療サービスの全体像や、診療の方針についてお聞かせください。
竹江:当院では、二重形成や鼻の手術、脂肪吸引といった「美容外科」の領域と、肌質改善やレーザー治療などの「美容皮膚科」の領域、この双方を車の両輪のように捉えています。
昨今は「二重専門」「脂肪吸引専門」といった特化型のクリニックも増えていますが、私たちはそうした専門店のようなあり方は目指していません。
なぜなら、人間の美しさとはパーツ単体で成立するものではなく、全体のバランスや肌の質感まで含めたトータルなものだからです。
外側からの造形的なアプローチと、内側からの皮膚科学的なアプローチ。
この両面から患者様の全身を俯瞰し、最適な解法を提案できることこそが、私たちが考える医療のあるべき姿です。

確かな知識と技術のベースがあれば、どの部位であっても高水準な結果を出すことができると思います。
もちろん、医師によって多少の適性はありますが、当院ではどの施術においても当たり前に高いクオリティを提供できる体制を整えています。
できないことは正直に「できない」とお伝えし、その上で、外科と皮膚科の垣根を超えて、患者様にとってベストな選択肢を提示する。
それがプロフェッショナルとしての矜持だと考えています。
当院は、おかげさまで今年20周年を迎えることができました。
20年かけて築き上げてきたブランド、それは一言で言えば、クリーンであるという点に尽きると思います。

「あそこに行けば信頼できる」
「あそこなら無理な提案をされることはない」
そうした信頼こそが、私たちの根底にある強みであり、最大の競争優位性です。
美容医療業界は、自由診療であるがゆえに、どうしても収益性やビジネスとしての側面が色濃くなる傾向があります。
もちろん、クリニックを存続させるためには利益も必要ですし、より良い設備や人材を確保するためには不可欠な要素です。
しかし、経営者がどこに軸を置いて取り組むかによって、医療の質や患者様の満足度は大きく変わります。
美容外科は、その技術一つで患者様を幸せにし、コンプレックスを解消して人生を前向きに変えることができる素晴らしい医療です。
一方で、使い方を一歩間違えれば、クリニック側の都合が優先され、患者様が置き去りになってしまう可能性も秘めています。
私は、決してそうあってはならないと考えています。
誠実ではない行為はしない。
営利を目的として、患者様にとって不必要な治療を勧めることは絶対にしない。
それが私たちの揺るぎない方針であり、開院以来守り続けてきた約束なのです。
この理念に共感した医師や看護師、カウンセラーが集まっているからこそ、水の森美容クリニック全体が「誠実であり続けること」を体現できているのだと考えています。

―YouTubeなどでも「患者様自身が正しい知識を持ってから施術を受ける」ことの重要性を発信されています。やはり、そうした啓蒙活動もその信念に基づいているのでしょうか。
竹江:もちろん、どのクリニックも表向きは「患者様のために」と考えて情報を発信しているはずです。
「利益優先です」と公言するクリニックなど存在しません。
だからこそ、患者様自身がその本質を見抜く確かな目を持っていただきたいのです。
私たちにとって「営利目的のみで治療を勧めない」というのは当たり前のことですが、自由競争の市場においては、さまざまな経営方針が存在します。
情報の非対称性から、患者様がご自身にとってベストではない選択をしてしまうリスクもゼロではありません。
YouTubeなどを通じて、「こういうケースには注意が必要です」「ここが見るべきポイントですよ」といった判断基準を発信しているのは、患者様自身に「選別する力」をつけていただきたいからです。
たとえ結果的に高額な治療になったとしても、患者様ご自身がその内容と価値を深く理解し、納得して選ばれたのであれば、それは素晴らしいことです。
しかし、もしよく分からないまま流されてしまっている方がいるのであれば、健全ではないと思います。
私たちは、患者様が後悔のない選択をするための、一助となりたいと考えています。
適正価格へのこだわりと、料金体系の透明性
―ウェブサイトでは、施術の症例写真やコラムなども数多く掲載されています。これらも患者様の信頼材料として重視されているのでしょうか。
竹江:症例写真は多くのクリニックが掲載していますが、実は、これを継続的かつ適正に出し続けることは非常に難しいことでもあります。
一般的に、高額な施術費用をモニター割引で安く提供する代わりに写真を使わせてもらう、という手法が多く見られます。
当院でも、一部の施術ではモニター割を導入しているものもあります。
しかし、当院は元々の価格を適正価格、つまり最初から良心的な設定にしているため、そこからさらに大幅なモニター割引を行うことが経営的に難しい側面があります。
そのため、当院のモニター割はあくまでも「セット割」としてレギュラーメニュー化しています。
複数の施術を受けられる場合には、モニター割として少し安価な金額で受けられるというもので、ホームページ等にも分かりやすく掲載しています。
ここで、美容医療業界において患者様が戸惑われることの多い料金の仕組みについてお話ししましょう。

例えば、ホームページなどで非常に安価な入り口の価格が表示されていることがあります。
しかし、実際には個人の状態に合わせたオプションや、よりグレードの高い薬剤などが存在し、トータルの見積もりが当初の想定の10倍以上になるようなケースも少なくありません。
そうした場合、例えば提示された総額に対して、モニター協力などの条件で割引が適用されることがあります。
患者様からすれば「割引がきいてお得になった」と感じられるでしょうし、ご納得されていれば問題はありません。
ただ、私たちは、最初から分かりやすくありたいのです。
実際には設定していない価格に二重線を引き、その下に本来の価格を記載することで、あたかも割引であるかのように見せる表現は行いたくない。
医師にとって医学的に必須ではないと判断されるオプションをつけることで単価を上げるようなことはしたくない。
また、誰に対しても公平で透明性のある価格を提示したいと考えています。
「思ったより高かった」というギャップをなくし、最初から信頼して相談いただける環境を作る。
利益を出すための工夫をするのではなく、情報を正しく開示する。
それを知っていれば、患者様のクリニック選びの視点も変わってくるはずだと信じているからです。
―先生は一貫して「明朗会計」と適正価格を掲げていらっしゃいます。そのこだわりについてお聞かせください。
竹江:ホームページの表示価格と実際の請求額に乖離がないように努めています。
入り口の価格を極端に安く見せて集客するという手法は、マーケティングとしては一つの正解かもしれません。
しかし、実際に来院された患者様が「話が違う」と感じてしまっては、長期的な信頼関係を築くことはできません。
私たちが提供しているものは、医療です。
自由診療とはいえ、医療を提供する者としては、患者様との信頼構築が何よりも大切です。
残念ながら、料金面でのトラブルや誤解が生じてしまうケースは、業界全体としてまだ存在します。
だからこそ、入り口の時点で正しい知識を持っていただくことが重要なのです。
どの医師が良いか、どの技術が良いかといった相性の問題以前に、まずは「誠実な提案をしてくれるか」「料金体系に不明瞭な点はないか」という選別の目が不可欠です。
私たちは、そうした不安を取り除くことから医療が始まると考えています。
そもそも、なぜこうした「話が違う」という現象が業界で起きてしまうのか。
そこには、多くのクリニックが抱える「医師とカウンセラーの完全分業」という構造的な課題があります。
効率を追求するあまり、カウンセラーが手術内容の決定や費用の説明を行い、医師は最後に確認をするだけ、という分業体制をとるケースが少なくありません。
これには、医師が診療以外の収益面でのプレッシャーや交渉ごとを避けたい、という心理的な側面も関係しています。
しかし、この仕組みには危うさがあります。

カウンセラーに高い売上目標やインセンティブ(歩合給)が設定されている場合、構造上、どうしても「医学的に必要か」よりも「契約単価を上げること」が優先されがちになります。
一方で、医師は「自分が直接営業をしたわけではない」という立場になり、結果として、誰も本質的な責任を取らないまま高額な契約が進んでしまうリスクがあるのです。
医療において重要なのは診断です。
患者様のお悩みに対し、医学的な見地から何が必要で、何が不必要かを判断できるのは医師だけです。
だからこそ当院では、カウンセラー任せにせず、医師自身が時間をかけてカウンセリングを行うことにこだわっています。
それが、遠回りに見えても、信頼への一番の近道だと信じているからです。
「損して得取れ」の精神と、独自の研修システム
―規模が大きくなっても変わらない、組織としての信念について教えてください。
竹江:当院の医師に共通しているのは、医療人としてのプライドです。
医療という行為において、ビジネスライクな営業活動を優先したくない。
そうした志を持った医師たちが集まってくれています。

昨今は、医師自身がSNSでの発信や集客に力を入れなければならない時代でもあります。
しかし、根底では「医療の本質に向き合いたい」と感じている医師が多いのではないでしょうか。
そうした純粋な思いで、私たちは結ばれています。
また、私自身の内面的な変化についてもお話しさせてください。
かつての私は、恥ずかしながら、医師と患者様の関係をどこか「治療する側」と「される側」という、機能的な視点で捉えていた部分があったかもしれません。
技術の提供こそが全てであり、それが医師の役割だと。
しかし、私自身が大病を患い、死というものを身近に感じる経験を経て、その価値観は大きく変わりました。
病気と闘いながらも、当院に足を運んでくださる患者様がいらっしゃいます。
以前の私であれば、「今は治療に専念された方が良いのでは」と、医学的な合理性だけで考えてしまったかもしれません。
しかし今は、その姿に人間の持つ凄まじい生命力を感じ、深く感銘を受けるようになりました。
困難な状況にあっても「綺麗でありたい」「前を向きたい」と願う気持ち。
それは、その人がその人らしく生きようとする力そのものです。
患者様の背景や人生に思いを馳せ、心から「力になりたい」「ありがたいな」と感じる。
そうした共感や深い感謝の念を持って診療にあたるようになったことは、私にとって医師としての在り方を変える非常に大きな転機でした。
―特徴的な取り組みとして、研修システムについてお聞かせください。
竹江:全体の技術レベルを底上げするために、研修日を設け、徹底した技術指導を行っています。
美容外科の手術において、技術の習得は非常に難しい課題です。
どんな名医であっても、必ず「最初の一人目」の手術が存在します。
しかし、初めて執刀する医師の手術を受けなければならない患者様がいるというのは、医療を提供する側として非常に悩ましい事実であり矛盾です。
この矛盾を解決するために私が何年も前から実施しているのが、「無料モニター制度」です。
患者様には、新人医師の技術習得のための施術であることを十分にご説明し、ご了承いただく代わりに、通常何十万円もする手術を無料で提供します。
金銭のやり取りが発生しないため、私たち指導医も「ここは違う、こうするんだ」と、患者様の前でも隠すことなく堂々と一から十まで指導ができます。
当然、指導医が立ち会うので、安全は保証されており、患者様を危険な目に遭わせるようことがないよう、細心の注意を払っています。

他院では、費用をいただきながら指導を行うケースもあると聞きますが、金銭が発生している以上、患者様に不安を与えないよう、指導も遠慮がちになってしまう可能性があります。
それでは本当の技術習得には繋がらないのです。
あやふやなまま数件の手術を行うよりも、指導医がつきっきりで堂々と教える1件の方が、学びの重みは遥かに大きいのです。

―無料で手術を行うことは、経営的にはマイナスになりませんか。
竹江:材料費も人件費もかかりますから、その一件単体で見れば赤字です。
しかし、私の経営哲学、そして人生のコンセプトでもあるのが「損して得取れ」という考え方です。

多くの人は直近の利益、目先の得を求めがちです。
「これをやったらいくら儲かるのか」と計算してしまう。
しかし、一時的に損をしたとしても、結果として医師が育ち、高い技術を提供できるようになれば、巡り巡ってクリニックの評価につながり、利益として返ってきます。
私は目先の得を追いません。
患者様にとってもメリットがあり、クリニックにとっても人材育成になる。
この「損して得取れ」を愚直に続けてきたことこそが、水の森美容クリニックが技術力を維持し続けている理由であり、他院には真似できない強みだと自負しています。
技術というものは一朝一夕には身につきません。
「ローマは一日にしてならず」です。
こつこつと積み上げ、医師を育てていく。
その過程で、医師たちが当院の理念に共感し、長く定着してくれることも、組織としての強みになっています。
若き日の苦難が、リスク管理能力を育てた
―先生の生い立ちについてもお伺いします。どのような環境でお過ごしだったのでしょうか。
竹江:北海道の田舎町、開業医の家庭に生まれました。

高校進学を機に上京し、当時は大学生だった姉と二人で暮らしていました。
今でも鮮明に覚えているのは、姉が毎朝欠かさず私のために作ってくれたお弁当の記憶です。
当時はそのありがたみに気づかず、当たり前のように受け取っていましたが、大学生という自分の時間も大切な時期に、弟のために早起きをして世話を焼くというのは、なかなかできることではありません。
振り返れば、家族の深い愛情に守られ、何不自由なく過ごさせてもらっていた。
そんな温かな日々でした。
当時はまだ社会の厳しさを知らず、恵まれた環境に甘えていた部分もあったかと思います。
しかし、大学入学前後に人生が一変しました。
バブル崩壊により、実業家として成功していた祖父の会社が倒産。
時を同じくして父が他界し、実家の医院も立ち行かなくなってしまったのです。
それまでは医学部に入って実家を継げばいいと、将来を楽観視していた部分もあったと思います。
しかし、帰るべき場所も、経済的な後ろ盾もすべて失ってしまった。
私立の医学部というのは、裕福な家庭の学生が多い場所です。
その中で、金銭的な不安を抱えながら、周囲には悟られないよう虚勢を張って生きる日々は、劣等感との戦いでした。
「どうやって生きていけばいいのか」
「自分には何ができるのか」
何も見えない暗闇の中を彷徨うようなこの期間を「闇の10年」と呼んでいます。
大学では、スキー部での活動に情熱を注ぎました。
何か一つでも成し遂げたい、自分を証明したいという思いで6年間打ち込みましたが、結局、大会で勝つことはできませんでした。
今でもたまに夢に見るくらい悔しい経験でしたが、そこで学んだのは、期限のある勝負の残酷さと、終わりのないビジネスの可能性です。
大学生活には6年という期限がありましたが、ビジネスには期限がありません。
「諦めなければ失敗ではない」のです。
あの時の「死に物狂いで頑張ったけれど報われなかった」という悔しさが、今の事業を継続する原動力になっているのかもしれません。
―その暗闇から抜け出すきっかけはなんだったのでしょうか。
竹江:大学卒業後、麻酔科に進みましたが、そこでも自分の進むべき道が見えず、暗中模索の日々が続きました。
自立するためにはどうすればいいか。
限られた選択肢の中でたどり着いたのが、美容外科という道でした。
当時はまだ美容外科に対する社会的な認知も今ほどではなく、周囲からは反対されることもありました。
しかし、自分の力で生きていくためには、この道でプロフェッショナルになるしかない。
そう腹を括って飛び込みました。
実際に働いてみると、いい意味で聞いていた話とは異なりました。
私が選んだ病院が真面目だったこともありますが、何より仕事そのものに魅了されたのです。
一般外科では、若手が執刀できる機会は限られていますが、美容外科は手を動かすことが仕事の大部分を占めます。
「マイナスをゼロにする」のではなく、「ゼロをプラスにする」。
自らの技術で患者様の人生を明るくできるこの仕事に、初めてやりがいと楽しさを感じ、暗闇の中に一筋の光明が見えたのです。

―その後、独立開業をされるわけですが、そこにはどのような経緯があったのですか。
竹江:私は性格上、常に先のことを考えるタイプです。
実家がなくなり、保証人もいない自分が独立するにはどうすればいいか。
計算してみると、資金を貯めて開業するには40代半ばまでかかってしまう。
毎日通帳を見ても残高は変わらないのに、計算ばかりしていました。
そんな時、アルバイト先の美容外科を経営していた社長が声をかけてくれました。
「そんなに良い考えを持っているなら、お金を借りてやればいい。僕が保証人になってあげるよ」と。
「保証人になってもらうわけにはいかない」と一度は断りましたが、その社長がある金融機関を紹介してくださったのです。
そこで融資が下り、予定よりも早く開業することができました。
あの時の助言と出会いがなければ、今の私はなかったかもしれません。

この「闇の10年」の経験は、今の経営スタイルに色濃く反映されています。
私は一度、恵まれた環境から転落する怖さを知っています。
祖父も一から財を成しましたが、最後に失ってしまいました。
だからこそ、常に落ちることへの恐怖があり、リスク管理に対して非常に慎重です。
少しでもうまくいかない兆候があれば、すぐに修正する。課題を放置せず、改善し続ける。
その繰り返しが、結果としてクリニックの成長につながってきました。
若い頃は「なんで自分だけがこんな目に」と嘆いたこともありましたが、今となっては、早い時期にどん底を経験できて本当に良かったと思っています。
成功してから転落するのではなく、若いうちに苦労を知れたことが、私にとっては一番の財産なのです。
変化するリーダーシップと、人生を整えるということ
―組織の拡大とともに、先生ご自身の役割や考え方も変化されたのでしょうか。
竹江:大きく変わりましたね。
クリニックが小さかった頃は、いわゆるトップダウンでの経営でした。
何もないところから立ち上げる時期には、誰も見たことのない未来を信じて突き進む、強力なリーダーシップが必要だったのです。
戦国武将が自ら先陣を切って敵陣に乗り込むようなスタイルでした。
しかし、組織が大きくなり、私自身も年齢を重ねるにつれて、そのやり方だけでは限界があると感じるようになりました。
体力も落ちてきますし、私一人が頑張ったところでどうにもならない規模になってきたのです。

そこで、傾聴型のリーダーシップへと変化させました。
一方的に指示を出すのではなく、「どう思う?教えてほしい」とスタッフの意見に耳を傾けるようにしたのです。
もちろん、自分を変えることには痛みが伴います。
今までのやり方を否定するような葛藤もありましたし、最初は空回りすることもありました。
人間が変わる時というのは、一番苦しいものです。
しかし、そこで立ち止まらず、変化を受け入れることができれば、必ず道は開けます。
今では、マーケティングや人事などの権限を各部門の責任者に委譲し、私自身の荷物を軽くしています。
権限に執着せず、手放していくこと。
それが組織の成長にもつながり、私自身の幸せにもつながると気づいたのです。
―先を見据えるというお話が出ましたが、現在はどのような未来を描いていらっしゃいますか。
竹江:よく「勝ち組・負け組」という言葉が使われますが、30代、40代におけるそれは、社会的地位や資産で判断されがちです。
しかし、60代以降の勝ち組は違うと私は考えています。
たとえ社会的成功を収めていても、地位にしがみつき、失う恐怖に怯えていては幸せとは言えません。
真の勝者とは、「人生を楽しめる心」を持った人ではないでしょうか。
学生時代、仕事の現役時代、そして老後。
人生のすべてのステージで満たされている人は稀です。
だからこそ、60代、70代になった時にどうあれば幸せか、を今から考えています。
それは、お金の有無ではなく、感性の問題です。
朝、散歩をして気持ちが良いと感じる。
コーヒーを飲んで美味しいと感じる。
そうした些細な日常に幸せを感じられる心を手に入れることこそが、人生の勝利だと確信しています。

―そのために、今実践されていることはありますか。
竹江:自分自身を整えることです。
精神が整っていなければ、幸せを感じることはできません。
日々の疲れやストレスに忙殺されていては、朝の光の美しさにも気づけないでしょう。
最近は朝活を始めました。
1時間早く起き、好きなクラシック音楽を聴きながらコーヒーを飲む。
仕事への義務感で起きるのではなく、「朝が来るのが楽しみだ」と思える時間を意図的に作っています。
また、孤独や寂しさとの向き合い方も考えるようになりました。
誰かといることで埋めるのではなく、一人でいる時間を楽しめるように自分を整える。
そうしたマインドセットの変化が、人生を充実させてくれています。
将来的には、この仕事をライフワークとして続けられたら最高ですね。
義務感や生活のためではなく、純粋に目の前の患者様を美しくしたいという情熱だけでメスを握る。
医師としてこれ以上の幸せはありません。
そんな理想的な老後を迎えられるよう、今は準備を進めている段階です。

水のように、森のように。澄んだ心で接し合える場所
―最後に、読者へのメッセージをお願いします。
竹江:当院は、若い方のご来院が非常に多かったのですが、最近ではエイジングケアを目的としてご来院される患者様が増えています。
かつての自分を取り戻したい、いつまでも若々しくありたいという願いは、私自身も同世代として本当によく分かります。
シワやたるみが気になる、昔の自分に戻りたいというお気持ちに寄り添いながら、最適な治療を提案させていただいています。
もちろん、切る手術が必要な場合もあれば、切らない治療が良い場合もあります。
できないことは正直に「できない」「分からない」とお伝えしますし、効果の低いものは勧めません。
それがプロとしての誠意だと思っています。
「水の森」というクリニック名には、「水のように、森のように、澄んだ心で接し合える空間でありたい」という願いが込められています。
私たちは精神科医ではありませんから、心の内面まで専門的に治療することはできません。
しかし、コンプレックスビジネスと呼ばれることもあるこの業界において、営利至上を排し、澄んだ心で患者様と向き合う場所であり続けることはできます。
「損して得取れ」の精神で、目先の利益よりも信頼を選び続けてきた約20年。
私たちが積み上げてきたクリーンな診療は、患者様に提供できる最大の信頼であり、約束です。
もし、美容医療に対して不安や迷いをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
私たちは、あなたの利益を最優先に考え、誠実に向き合うことをお約束します。

「損して得取れ」愚直なまでの誠実さ。
竹江総院長の言葉の端々には、自身の経験に基づいた揺るぎない哲学が宿っていた。
華やかな美容医療の世界において、信頼第一という道を選び続けるその姿勢。それは、かつて「闇の10年」を彷徨い、すべてを失う怖さと、そこから這い上がる厳しさを知る彼だからこそ辿り着いた、正直であり続けるという医師としての矜持そのものなのだろう。
自らの弱さや過去の苦悩を隠すことなく語り、変化を恐れず、未来を見据えて自己を整える。その姿は、経営者として、そして一人の人間として、深く心に響くものがあった。
「水のように、森のように」。その名の通り、訪れる人の心を静かに、しかし力強く支えてくれる場所。それが水の森美容クリニックなのだろう。

水の森美容クリニックについて

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 取材・撮影 | 水の森美容クリニック 東京銀座院 |
| 総院長 | 竹江 渉(たけえ わたる) |
| 東京銀座院 院長 | 鈴木 凜(すずき りん) |
| クリニック紹介 | 「水のように、森のように澄んだ心」を理念に、美容外科と美容皮膚科の枠を超えたトータルケアと、独自の技術継承システムによる高度な専門医療を提供 。2006年2月の開院以来、名古屋本院をはじめ大阪梅田、東京銀座、東京新宿、福岡、東京渋谷、横浜、大阪心斎橋の全国8院体制へ拡大 。明朗会計や営利目的の勧誘排除の徹底など、確かな技術と誠実な対話で患者様の利益を最優先にするクリニックです 。 |
| 所在地(東京銀座院) |
〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目5-4 ファサード銀座4階 |
| アクセス(東京銀座院) |
東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」6番出口より徒歩1分 JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」京橋口より徒歩5分 東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線「銀座駅」A13出口より徒歩5分 |
| 電話番号(東京銀座院) | 0120-248-603(フリーダイヤル) |
| 診療時間(共通) | 10:00~19:00(年中無休) |
| Webサイト | https://www.mizunomori.com/ |
| 公式メディア |
YouTube 水の森美容クリニック【公式】 真実の美容外科医 竹江 渉 Instagram / TikTok / X / note |
| ご予約 | 公式HPより24時間WEB予約・LINE予約が可能 |