「美容医療は、人生を前向きに変えるための選択肢」フェミークリニックが23年間積み上げた誠実さと対話の医療
日本の美容医療が現在(※1)のような広がりを見せる(※2)以前の2003年、渋谷フェミークリニックは開院した。
その総院長 兼 渋谷院 院長を務める北山恵美子氏は、開院から現在(※1)に至るまでの23年間、「患者の悩みに真正面から向き合う」という姿勢を貫いてきた。
2003年に院長へ就任して以来、現場に立ち続けてきた北山氏。
当時から現在(※1)までの歩みと、フェミークリニックが大切にしている医療への想いに迫った。
※1:2026年4月インタビュー時点
※2:厚生労働省「美容医療に関する現状について」

2003年開院。日本の美容医療の発展とともに歩んできた、信頼の軌跡

―フェミークリニックはまだ「美容皮膚科」という言葉が一般的ではなかった時代からのスタートですね。クリニックの概要や、開院当時の状況から教えていただけますか。
北山:当院は美容皮膚科のクリニックですが、開院した2003年当時は、現在(※3)のように『美容皮膚科』という言葉自体が世の中に浸透していませんでした。(※4)
エステティックサロンとクリニックの違いを知っている方も少なく、「エステだと思って来たら、医師の診察があって驚いた」という患者さまも多くいらっしゃいました。
医療脱毛という言葉の認知度がまだ低く、全身脱毛が高価な自由診療の一つとして限られた選択肢だった時代ですね。
―現在(※3)のような関心の高まりからは想像もつかない状況ですね。そこからどのように認知を広げていったのでしょうか。
北山:明治通りの小さな一室からスタートしたのですが、すぐに患者さまがいらっしゃるわけではなく、最初は看護師が自らビラを配るなど、地道に認知を広めるところから始めました。
クリニックとして軌道に乗るまでの2年ほどは、本当に泥臭く苦労した時期でしたね。
※3:2026年4月インタビュー時点
※4:厚生労働省による2008年4月1日施行の医療法施行令の改正により、「美容皮膚科」は正式な診療科名として認められた
効率よりも「対話」を優先する診察のこだわり

―その逆境の時代から、クリニックとして一貫して大切にされているコンセプトはありますか。
北山:開院当初から20数年にわたり守り続けているのは、「患者さま一人ひとりに適した治療を真摯に提案する」という姿勢です。
美容医療の世界にもその時々のトレンドは存在しますが、ある治療が流行しているからといって、すべての方にそれを一律にお勧めするような、画一的な医療であってはならないと考えています。
私たちが大切にしているのは、患者さまそれぞれの肌質、生活習慣、そしてお悩みの深さを見極め、医学的根拠に基づいた「オーダーメイドの組み合わせ治療」を提供することです。
一人ひとりの背景を深く理解しようとすれば、おのずとカウンセリングの時間は長くなり、患者さまに語っていただく言葉も増えていきます。
しかし、私たちはこの時間を決して非効率なものだとは捉えていません。
対話を通じて不安を解消し、納得のいく改善へのロードマップを共に描くことで、初めて盤石な信頼関係が生まれるからです。
医療者との信頼が深まれば、患者さまも私たちが提案するケアに前向きに取り組んでくださるようになり、結果としてお肌をより良い状態へ導くという目標にも、着実に近づくことができる。
この丁寧なプロセスこそが、私たちが大切にしている診療のあり方です。
―カウンセリングや診察の長さについて、具体的にどれくらいの時間をかけているのでしょうか。

北山:平均すると、脱毛治療の場合、カウンセラーとのヒアリングが30分、医師の診察に5分ほどです。(※5)
特に複雑なニキビ治療に関しては、カウンセラーからのヒアリングに45分から1時間、医師の診察も15分から20分ほど確保して、しっかり肌を診てから治療に進みます。(※5)
―医師の診察に15〜20分かけるというのは丁寧な印象を受けます。
北山:当院では、カウンセリングによるお悩みの共有に加え、医師自らが時間をかけて肌を診察し、治療方針を決定する手順を徹底しています。
医師が直接対話することで、一人ひとりの状態に真摯に向き合うことを大切にしているからです。
※5:2026年4月インタビュー時点、フェミークリニック調べ
徹底した「教育」が支える医療の質と誠実な診療体制

―他に、フェミークリニックならではの特徴はありますか。
北山:スタッフの研修制度ですね。
当院では新人が入職すると、一人に対して必ず先輩スタッフが付きっきりで教える体制をとっています。
マニュアルに基づいて、施術項目ごとにチェックをつけ、「何月何日に何の練習をしたか」という記録もしっかり残しています。
患者さまに確認をいただいた上での見学から始まり、自己体験、スタッフ同士での練習を経て、院内の一定基準をクリアしたら脇や腕などの基本部位の施術から始め、段階的に習得していく体制を整えています。
―医師に対しても、同様の研修を行っているのでしょうか。
北山:はい。私や各院長が厳格な評価を行い、「これなら患者さまを任せられる」と基準を満たした医師のみが施術を担当します。
自由診療において、体系的な医師研修の重要性はますます高まっていると考えています。
私自身の監修のもと、すべての処置において医学的根拠に基づいた技術が共有されるまで徹底して伴走する。
この揺るぎない教育体制こそが、当院の診療の根幹なのです。
20年以上の症例数から導き出されたニキビ治療の適切なアプローチ

―貴院のサイトを拝見すると、「ニキビ治療」に注力されているのがわかります。美容医療が多様化する中で、ニキビ治療を大きな柱としている理由を教えてください。
北山:2010年代半ば頃から美容脱毛を扱うクリニックが増えた際、当院ならではの強みは何かと考えた時、これまでの経験と治療実績に裏打ちされた「ニキビ治療」であると再認識したのがきっかけです。
元々、全体の患者さまの3割ほどがニキビのお悩みで来院されておりベースがありました。(※6)
現在(※7)では、来院患者さまの半数以上がニキビの悩みを抱えていらっしゃいます。(※6)
ニキビに悩むことで、自分らしさを十分に発揮できないもどかしさを感じる方は少なくありません。そこにフォーカスしてしっかり対応していきたいという思いがありました。
―ニキビ治療において、フェミークリニックが大切にしている考えはどこにあるとお考えですか。
北山:法人全体で延べ数百万件(※8)という豊富な経験の蓄積です。
20年以上にわたりニキビ診療に携わってきた経験を活かし、一人ひとり異なる原因を慎重に見極め、お肌の状態変化に対しても柔軟な対応に努めています。
例えば、治療の過程で一時的にニキビが増えてしまうこともありますが、そうした経過予測を事前にお伝えすることを徹底しています。
患者さまが不安を感じることなく、納得して治療を継続できるよう、きめ細やかなサポートを心がけています。

―治療を途中でやめてしまう方も多いのでしょうか。
北山:ニキビ治療は、お肌のターンオーバーのサイクルを考慮すると、半年から1年程度の期間をかけてじっくりと取り組んでいくことが一般的です。
そのため、途中で変化を実感じにくくなり、モチベーションを維持できなくなってしまう方がいらっしゃるのも事実です。
だからこそ私たちは、現在の肌の状態がどう変化しているのか、薬の副反応にどう向き合うべきかといったプロセスを丁寧に共有し、治療の全体像を示す「ロードマップ」を可視化するようにしています。
患者さまが「今どの段階にいるのか」を正しく把握し、納得と信頼を持って歩みを進めていただけるよう尽力することも、医療者の大切な役割だと考えているからです。
さらに、モチベーションの維持と並行して私たちが重視しているのが、治療自体の効率化です。

私は一つの手法に固執せず、多角的なアプローチを緻密に組み合わせることで、結果的に、より健やかで美しい肌状態を目指すための近道になると考えています。
例えば、まず『ピーリング』で肌表面の角質を整えて土台を作り、そこにアクネ菌の殺菌や赤みを抑える『光治療』を重ねる。
さらに現在(※7)では、お肌本来の健やかさを引き出す『リジュラン』や『スネコス』といった肌育注射を組み合わせることで、一人ひとりの肌悩みに応じた包括的な診療を提案しています。
深刻な凹凸にはダーマペン、難治性の方にはイソトレチノインの内服など、お一人ひとりの状態に合わせた選択肢を幅広くご用意しています。
大切なのは、その方の症状、ご予算、そしてダウンタイムの許容度に合わせ、単発の「点」の処置ではなく、改善に向けた「線」を描く治療設計を行うことです。
このオーダーメイドの複合治療こそが、私たちが23年間の経験を経て辿り着いた、ニキビ治療の診療のあり方です。
―「早期の改善」を追求される背景には、やはり患者さまの心の負担を少しでも早く取り除きたいという想いがあるのでしょうか。
北山:その通りです。ニキビ治療は一般的に半年から1年という期間を要しますが、途中で変化を実感できないと、モチベーションを保つのは困難です。
だからこそ、医学的根拠に基づいた攻めの複合治療を提案します。一方で、特定の治療を希望して来院された場合でも、お肌の状態によっては「今は控えるべき」と、医学的な視点から率直にお伝えする誠実さを大切にしています。
お悩みが解消され、自信を取り戻した患者さまが笑顔で『ありがとうございました』と言ってくださる。その瞬間に立ち会えることが、この23年間の最大のやりがいです。
※6:2026年4月インタビュー時点、フェミークリニック調べ
※7:2026年4月インタビュー時点
※8:2003年5月~2024年12月までの全院累計施術件数、フェミークリニック調べ
保険診療では届かない「跡」の悩みへのアプローチ
―素朴な疑問なのですが、ニキビができた場合、まずは皮膚科(保険診療)に行くべきか、美容皮膚科(自由診療)に行くべきか迷う方も多いと思います。
北山:まずは皮膚科に行っていただくのが良いと思います。
少し出ている程度や、症状が重く病気としての治療(抗生物質の内服など)が必要な段階では、皮膚科を受診されるべきです。
ただ、保険診療の枠組みでは対応が難しいニキビ跡のケアや繰り返すトラブルへの肌質改善を追求するのが、私たち美容皮膚科の役割です。
―若年層でも来院される方はいますか?
北山:お母様と一緒に来院される中学生の方もいらっしゃいますよ。若い方の方が代謝が良いので、ニキビ跡のケアなどもスムーズに進みやすい傾向があります。
―組織運営についてもお聞きします。現在(※9)、関東・関西に計7院を展開されていますが、規模が大きくなると現場の声を吸い上げるのが難しくなるのではないでしょうか。
北山:当院では、一番患者さまに接している看護師やカウンセラーの気づきが、ダイレクトに経営層や私に届くシステムを構築しています。
例えば、「施術の同意書のこの文言が患者さまに伝わりにくいから変えたい」という現場の案があれば、主任看護師から院長や私に上がり、医師が医学的・法的なチェックを行った上で、迅速に全院へ反映させます。
現場の小さな違和感を拾い上げることが、サービスの形骸化を防ぐ秘訣だと考えています。
※9:2026年4月インタビュー時点
ルーツとしての形成外科。外見の再建が心を救う

―北山総院長ご自身のルーツについて教えてください。お父様が精神科医だったとのことですが、なぜ形成外科、そして美容医療の道へ進まれたのでしょうか。
北山:東京で医師の家庭に育ち、自然と医学部を目指しました。
当初は父と同じ精神科医も考えたのですが、実習でうつ病の患者さまのお話を伺っているうちに、深く共感しすぎてしまう自分に気づき、向いていないと悟りました。
そんな時に出会ったのが形成外科です。
当時、乳がんで胸を失った方の再建手術を目の当たりにし、コンプレックスを改善して患者さまが笑顔を取り戻す姿に衝撃を受けました。
「外見へのアプローチからQOL(生活の質)を高める」という点に強く惹かれたのが原点です。
―ご自身も肌の悩みを抱えられていた時期があったそうですね。
北山:研修医時代、私自身もひどいニキビに悩み、標準的な治療を続けても思うような変化が見られず、不安な日々を過ごした経験があります。
その時、ケミカルピーリングを体験し、お肌の状態が徐々に整っていくのを実感したんです。
当時の医局の風潮としては珍しい選択でしたが、この分野の奥深さを追求したいという情熱に従い、美容皮膚科の道へと舵を切りました。
情報の海の中で自分に合ったパートナーを選ぶために

―昨今はSNSの普及により、美容医療は身近な存在になりました。患者さまはどのようなリテラシーを持つべきだと思われますか。
北山:「インフルエンサーにとって良かった治療が、自分にとっても適切であるとは限らない」という事実をまず認識していただきたいです。
当院では、「この治療がしたい」とご希望されても、いまの肌状態に合わなければ、逆にお肌が荒れてしまう可能性があるためお断りすることもあります。
それが医療者としての誠実さだと考えています。
患者さまには、ネットの情報を鵜呑みにせず、実際にいくつかのクリニックに足を運び、医師がしっかり話を聞いて質問に答えてくれるかを見極めていただきたいですね。
「肌の健やかさが、心の健やかさにつながる」。ニキビの悩みを乗り越えて、自分らしさを取り戻すために

―最後に、いまニキビや肌の悩みで苦しんでいる方々へメッセージをお願いします。
北山:思春期のニキビで真っ赤になって、髪で顔を隠し、下を向いて来院された子が、治療を終える頃には自信を取り戻し、満面の笑みで「ありがとうございました」と言ってくださる。
その瞬間に立ち会えることが、私にとって大きなやりがいであり原動力です。
ニキビは自尊心をも左右する、非常に切実なお悩みです。
美容医療は決して魔法ではありませんが、人生を前向きに歩むための確かな一助になり得ると私たちは信じています。
あなたが自信を取り戻し、笑顔で一歩を踏み出せるよう、20年以上の経験に基づいた技術と誠実な姿勢で、全力でサポートすることをお約束します。

美容医療のトレンドが数ヶ月単位で塗り替えられる、移ろいの激しい現代。
SNSに溢れる「即効性」を謳う言葉の喧騒から一線を画すように、北山英美子総院長が語る言葉は、驚くほど実直で、医療の本質を突くものだった。23年という歳月をかけて積み上げられたその知見は、流行に左右されない、普遍的な価値を物語っている。
特に印象的だったのは、診察時間の長さに対する、執着とも取れるこだわりだ。タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される現代の経営環境において、一人ひとりの患者に1時間以上の対話を重ねることは、一見すると非効率のように思える。
しかし、北山氏はその対話の時間の中にこそ、医療の信頼が育まれると信じている。彼女の語る慎重さの背景には、かつて自身が肌の悩みに直面し、医療を通じて前向きな変化を実感したという原体験が息づいている。
1999年に形成外科の門を叩いて以来、彼女が見つめてきたのは外見の改善がもたらす「心の健やかさ」だ。その原体験があるからこそ、彼女は今、目の前の患者に対して「半年かかります」「1回では終わりません」という、時に厳しい見通しも誠実に伝える。
北山氏が体現しているのは、単なる技術の提供者としての医師像ではない。患者が自信を取り戻し、前向きに歩み出すためのサポートを担う、形成外科医としての矜持である。
美容医療を、一時的な「装い」ではなく、人生をより良く生きるための「QOLの向上」と捉える彼女の視点は、情報過多な時代を生きる私たちにとって信頼に足る指針となるだろう。
取材の最後、自身の肌の美しさを「これが私の仕事ですから」と微笑んだ彼女の横顔に、23年間、一度も妥協を許さなかったプロフェッショナルの覚悟を見た気がした。流行に流されず、患者の肌と人生に誠実であり続けること。その真摯な姿勢こそが、フェミークリニックの信頼を支える揺るぎない基盤となっている。
フェミークリニックについて

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| クリニック名 | フェミークリニック |
| 総院長 | 北山 英美子(きたやま えみこ) |
| クリニック紹介 | フェミークリニックは、2003年の開院以来、東京都内(渋谷・新宿・池袋・銀座)および、大阪(梅田・心斎橋・天王寺)の計7院を展開。全院で統一された教育プログラムと、患者一人ひとりに寄り添うオーダーメイド治療を共通のコンセプトとしている。 |
| 所在地(渋谷院) |
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-8 渋谷東日本ビル8F |
| アクセス(渋谷院) |
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