高血圧や糖尿病、脂質異常症は、自覚症状が乏しいまま経過し、心臓や血管、腎臓などに影響を及ぼすことがある。
厚生労働省の令和5年患者調査では、高血圧性疾患で継続的に医療を受けていると推計される総患者数は約1,617万人、糖尿病は約552万人、脂質異常症は約459万人にのぼる(※1)。
東急東横線・綱島駅から徒歩約10分、商業施設「アピタテラス横浜綱島」2階の「ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島」は、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、生活習慣病(高血圧症・脂質異常症)に特化した、完全予約制のクリニックだ。
大学病院や総合病院で循環器内科の部長職などを歴任してきた循環器専門医の源河朝広院長、糖尿病・内分泌を専門とする中口裕達医師、総合内科専門医の源河いくみ医師(※2)の3名で診療にあたっている。
源河院長が掲げるのは、「医療はシステムである」という考え方だ。
目指すのは、患者・家族と医療提供者の双方が幸せになる医療。
専門医の知識や経験を、検査・予約・説明・情報共有が連動する仕組みで支え、1回の受診で得られる医療の価値を高めるという考えだ。
その考えがどのように診療の形になっているのか、源河院長と中口医師に聞いた。
※1:厚生労働省「令和5年患者調査 第158表 総患者数,性・年齢階級(5歳)×傷病中分類別」(e-Stat)。総患者数は、調査日現在において継続的に医療を受けている者の数を推計したもの。
※2:日本内科学会「総合内科専門医名簿(東京都)」(2026年10月インタビュー時点)
※3:日本循環器学会「専門医名簿(神奈川)」(2026年10月インタビュー時点)
※4:日本糖尿病学会「専門医検索」(2026年10月インタビュー時点)
※5:日本内分泌学会「専門医・指導医名簿(中口裕達医師)」(2026年10月インタビュー時点)
循環器と糖尿病や内分泌の各領域を総合的に評価

―ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島の特徴を教えてください。
源河:専門医による診察と必要な検査、結果の説明を一度の受診でおこなえるよう、完全予約制で診療を組み立てていることです。
診療では、一人の患者さんの複数の病気を関連づけて、包括的に診ることを重視しています。
具体的には、糖尿病、高血圧、脂質異常症に加え、腎臓や肝臓、心臓の状態も確認します。
毎回の診察で、これまでの経過と今回必要な検査の結果を合わせて総合的に評価します。
目指すのは、心筋梗塞や脳卒中、心不全、腎不全などの発症や悪化を防ぎ、患者さんに長く健康に生活していただくことです。
血圧や血糖、コレステロールなどの数値は、そのための治療目標です。
症状の変化だけでは治療の効果を実感しにくいからこそ、検査結果が何を意味し、なぜ治療を続ける必要があるのかを説明します。
初診時の説明や公式サイトに加え、日々の診察や説明資料を通じて、ご自身の病状と治療の目的を理解していただくことを大切にしています。
―複数の領域を包括的に診られるのは、なぜでしょうか。
源河:完全予約制で1日に診る人数を決め、診察時間を確保するとともに、検査や情報整理を支える専門職を配置しているためです。
1日の診療人数は、私が35人、中口医師が40人までと決めています(※6)。
患者さんと話す時間は1人あたり5分から10分を確保しており、初診時やその日に問題が見つかった方には、20分から30分かけることもあります。
※6:2026年10月インタビュー時点、ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島調べ
院内迅速検査を当日の判断につなげる計画的な診療

―検査の体制についても教えてください。
源河:当院の特色は、循環器・糖尿病・内分泌の専門診療に必要な幅広い血液・尿検査を院内で迅速におこない、その結果を当日の診察に生かせる体制です。
血糖・HbA1cや脂質、腎機能・肝機能に加え、心不全の指標となるBNP、甲状腺ホルモンや甲状腺自己抗体、尿蛋白・尿中アルブミンなどにも対応しています。
心臓専用と、甲状腺・頸動脈・腎動脈・腹部(肝臓・胆のう・膵臓・腎臓など)用の超音波診断装置を各1台、計2台常備しています(※7)。
24時間ホルター心電図の記録装置も6台備え、院内迅速検査と組み合わせて、循環器・糖尿病・内分泌領域を幅広く評価できる体制を整えています。
当院には、医師3名を含めて19名の職員が在籍していますが、そのうち7名が臨床検査技師です(※7)。
検査項目と頻度は、患者さんの病気や治療内容を踏まえ、診療ガイドラインや薬剤の添付文書に基づいて決めます。
血糖やコレステロールに加え、腎機能や肝機能、薬剤の安全性も計画的に確認します。
心電図やレントゲンなども、病状と医学的な必要性に応じて、一人ひとりの年間の検査計画に組み込みます。
症状や検査結果に変化があれば、その計画を見直します。
―検査項目の選定だけでなく、結果をその日の診療判断に反映させることを重視しているのですね。
源河:院内で得られた検査結果をその日の診察につなげ、必要な治療調整や追加検査を判断し、患者さんに説明することを重視しています。
当日に結果がわかれば、次回の受診まで判断を持ち越さずに済む場合がありますし、結果を聞くためだけの再来院も減らせます。
迅速な検査は、その日の状態に基づいて診療方針を決めるための基盤です。
なお、遺伝子検査、冠動脈CT、内視鏡、低頻度の特殊検査などは、外部の検査会社や病院と連携しています。
―効率化の設計は、検査以外にも及んでいるのでしょうか。
源河:再診では、必要な検査と結果の説明を含め、おおむね1時間前後で終えられるよう運用を見直しています。
毎日、患者さんの院内滞在時間と待ち時間を記録し、診察や説明に必要な時間を確保しながら、不要な待ち時間を減らすために活用しています。
2024年度の実績では、再診の患者さんの平均在院時間は69分、初診の患者さんは139分でした(※8)。
その他、さまざまなデータを公式サイトに掲載しています(※8)。
※7:2026年10月インタビュー時点、ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島調べ
※8:ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島「診療実績」(2024年度実績)
保険診療で実践するブティック医療

―お話を伺っていると、患者さん一人に対する手厚さを感じます。
源河:オンライン診療などを利用して、通院にかかる時間や手間を減らしたいという方もいらっしゃいます。
そうした利便性を重視する診療を「コンビニ医療」にたとえるなら、当院が目指すのは、一人ひとりの病状に合わせて診療を丁寧に組み立てる「ブティック医療」です。
慢性疾患、特に生活習慣病の高血圧症、脂質異常症、糖尿病などは、適切な管理をおこなっていないと自覚症状がほとんどないまま動脈硬化が進み、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞、腎不全など重大な合併症を生じて初めて症状が出現することがほとんどです。
これらの慢性疾患の適切な管理と薬剤の副作用や合併症の早期発見に用いられる指標は、血圧、LDL-コレステロール、血糖/HbA1c、腎機能、肝機能などであり、自覚症状や体調などではありません。
このことは患者さんにもぜひご理解いただきたいことです。
適切な管理と重大な合併症の早期発見のためには、病状に応じた定期検査で、治療の効果や薬の安全性、心臓・血管・腎臓などへの影響を確認することが重要だと考えています。
必要な検査を計画的におこない、その結果に基づく診察・治療調整・説明に十分な時間をかける。
それを保険診療で提供するのが、当院の「ブティック医療」です。
治療や検査、通院の必要性について、患者さんと理解を共有することを大切にしています。
当院では慢性疾患を診療計画に沿って継続的に管理するため、必要な評価を省いて処方だけを続けることはできません。
患者さんの意思を尊重して十分に説明したうえで、当院の診療方針との両立が難しい場合には、転院をお願いすることもあります。
―こうした診療を保険診療で続けるために、どのような工夫をしていますか。
源河: 1回の受診で必要な問診、検査、評価、治療調整、説明をできる限りおこない、医学的に可能な範囲で適切な通院間隔を設定する、いわば「高密度・低頻度」の診療です。
病状が良好で安定し、服薬や通院のルールを守れる方では、3〜4カ月ごとの受診が可能になります。
病状の変化や治療内容に応じて間隔を短くし、異変があるときは予定を待たずに連絡していただきます。
こうした通院間隔の調整によって、患者さんの生活上の負担を減らしながら、必要な専門診療を受けられる方を増やしてきました。
2026年10月インタビュー時点で、定期的に通院している患者さんは約2,600人です(※9)。
なお、当院では自由診療はワクチンを除いておこなっていません。
この体制を続けるために、診療から得た収益を、専門職の配置や検査設備、職員教育、ITの整備に再投資しています。
※9:2026年10月インタビュー時点、ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島調べ
カテーテル治療の経験から発症予防を支える外来診療へ

―源河先生は循環器内科医として、急性期のカテーテル治療を数多く手がけてこられました。その現場からクリニック開業へ進んだ経緯を教えてください。
源河:大学病院や総合病院で、夜間や緊急も含めて数えきれないほどのカテーテル治療に対応してきました。
こうした臨床経験から、私はカテーテル治療は今後縮小していくだろうと予測するようになりました。
高血圧や糖尿病、脂質異常症の薬物治療が大きく進歩し、心筋梗塞などの発症そのものが減っていくと考えたからです。
さらに、テクノロジーの著しい進歩によって医療のあり方そのものが大きく変わり、より多くの診断・治療が外来でおこなえるようになるとも予測していました。
そうした変化の中で、慢性疾患や安定期の診療を担う専門クリニックの役割はさらに大きくなる。
その見通しに基づき、病院で培ってきた専門性を、クリニックの外来診療で生かそうと考えたのです。
2010年頃からそうした変化を感じ始め、2015年から2016年頃には確信を深め、2018年の開業に至りました。
2020年代に入ってからのAIやロボティクスの進展により、医療の進歩はさらに加速しています。
私は、これを当時予測していた変化が現実のものになりつつある証しと捉えています。
―循環器を専門の一つに掲げるクリニックとして、力を入れてきた病気はありますか。
源河:一例が微小血管狭心症です。
心臓の細い血管の異常によって胸の症状が起こるタイプの狭心症で、当院では微小血管狭心症のページを公式サイトで公開して診療方針を示しています。
この病気の治療のために県外から通院される方もいます。
米国留学を原点とする医療の仕組みづくり

―「医療はシステムである」という考え方は、どこから生まれたのでしょうか。
源河:原点は、学生時代のアメリカ留学です。
留学先では、夕方定時に仕事を終える医師が多いことが印象に残りました。
同時に、アメリカから多くの研究成果が生まれていることにも関心を持ちました。
これに対して、日本では医師が夜遅くまで働く姿を見てきました。
ただ、日米の医師の力量に大きな差があるとは感じませんでした。
帰国後もその理由を考え続け、医師を支える「システム」、つまり仕組みの違いに目を向けるようになりました。
専門職の役割分担、検査や診療情報の共有、業務の標準化とデジタル化を組み合わせ、医師やスタッフが専門性を発揮できる環境をつくることが重要だと考えています。
AIは、診療情報の整理や説明資料の作成、見落としの防止などを支援するために活用します。
医師が内容を確認して最終的な判断と責任を担い、情報の抜けや診療のばらつき、職員の負担を減らすことを目指しています。
―その考えを、大きな病院の中ではなく、開業という形で実践したのはなぜですか。
源河:大きな病院の中で、私が思い描く診療の仕組みをつくるのは難しいと感じ、それなら、ベンチャーのようにゼロから自分でつくればいいと考えたからです。
開業してからほぼ毎日、データを見ながら仕組みを検証し続けてきました。
診察時間を十分に取れないことや、検査結果をすぐに診療へ生かせないこと、情報の分断、患者さんの通院負担、医療者の疲弊などを、一つの外来の仕組みとして改善していきたいと考えています。
―個人としての実績よりも「システム」づくりを追求する背景には、どのようなお考えがあるのでしょうか。
源河:私一人が「名医」になったところで、一人の医師が生涯で救える人数は限られています。
しかし、専門職の知識や経験を共有し、一定の診療水準を継続して提供できる仕組みをつくれば、届けられる医療の範囲を広げられます。
ここでいうシステムとは、専門医療と院内検査、完全予約制、患者さんごとの年間の検査計画、多職種のチーム、データの活用までを、一つの外来の仕組みとして束ねたものです。
必要な検査が抜けたり、治療目標に届いていないのに見直しがおこなわれなかったりすることを減らすために、判断の基準と診療の手順を共有していくことも重要です。
患者さんに「このクリニックなら信頼して任せられる」と感じていただけるようにすることが、私のテーマです。
働く人も専門性を発揮して成長でき、過重労働を避けて家庭生活と両立できることが、良い医療を続けるために欠かせません。
―先生はもともとシステムや仕組みに興味があったのでしょうか。
源河:私は沖縄の宮古島で生まれ育ちました。
子どもの頃、島で見られるテレビはNHKだけで、「未来少年コナン」のようなアニメやアポロ計画のニュースを通じてテクノロジーの時代の空気に触れ、胸をときめかせました。
はじめは子どもらしく「かっこいい」が入口でしたが、いつしか仕組みへの興味に変わっていき、航空宇宙のような分野の技術者に憧れるようになりました。
医師になったのは、進路を考えていた高校時代に、親友から「お前はモノよりも人間を相手にする方が合っていると思う」と言われたことがきっかけです。
その言葉を信じて医師の道に進みましたが、その後もモノや仕組みへの興味は変わらず、医療の中でシステムを考え続けることにつながっています。
循環器疾患と関わりの深い糖尿病や内分泌疾患

―2023年に糖尿病・内分泌内科を開設したのは、どのような判断からでしょうか。
源河:循環器疾患と糖尿病・内分泌疾患は関わりが深く、内分泌や代謝の異常が心臓に影響することがあるからです。
内分泌の病気である原発性アルドステロン症は二次性高血圧症の代表的な原因ですし、甲状腺の異常は不整脈と関連しています。
糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病も同じで、心血管疾患のリスクと関わる病気です。
もう一つは、当院の検査体制との相性です。
糖尿病・内分泌の診療は血液検査が中心で、院内で当日に結果を出せる検査を増やしてきた当院の強みを生かせる領域でした。
自覚症状の乏しい疾患の合併症予防と早期発見

―中口先生にお伺いします。担当している領域について、どのような診療をしているか教えてください。
中口:私が大切にしているのは、目の前の検査値を整えることだけでなく、その方の将来の健康や生活まで見据えて診療することです。
高血圧や脂質異常症、糖尿病は、自覚症状がないまま長い時間をかけて進んでいきます。
放置すると脳卒中や心不全、心筋梗塞、腎臓病といった重大な合併症につながることがあるため、予防と早期発見が重要です。
例えば腎臓の状態は、尿たんぱくや尿アルブミン、血液検査で確認します。
心不全の兆候なども含め、病状に応じた院内検査で定期的に評価します。
糖尿病の患者さんが、高血圧や脂質異常症、心臓や腎臓の病気を併せ持っていることも少なくありません。
だからこそ、循環器と糖尿病・内分泌を院内で連携して診ることが大切です。
―大きな病院との違いは、どこにあると感じますか。
中口:大学病院や総合病院には、高度に専門分化した診療という強みがあります。
当院では、専門領域に加え、関連する領域まで患者さんを横断的に診ています。
例えば、動悸や胸の症状の背景に甲状腺疾患が見つかることもあります。
心電図や心臓超音波検査なども院内で実施できます。
糖尿病の患者さんに心電図異常や胸の症状がみられた場合も、循環器専門医である院長と密に連携しながら評価を進め、必要に応じてさらに詳しい検査を検討します。
―症状が出にくい疾患に対して継続的に通院することの重要性は、伝わりにくい場合もありそうです。
中口:自覚症状の乏しい慢性疾患では、病状が安定しているか、合併症やその進行を疑う兆候がないかを、診察や検査で定期的に評価することが大切です。
お薬は一つひとつの必要性を見直し、不必要に多く使い続けることがないようにしています。
薬の数を減らすこと自体が目的ではなく、合併症の予防に必要な治療は継続します。
病状や検査結果が安定し、医学的に可能と判断できる場合には、通院間隔を延ばすこともあります。
継続診療で信頼関係を築き、5年後、10年後、さらにその先の健康につなげたいと考えています。
院内検査を生かした甲状腺疾患と原発性アルドステロン症の評価

―内分泌の領域では、具体的にどのような病気を診ていますか。
中口:甲状腺、副腎、副甲状腺、下垂体などの病気を診療しています。
特に甲状腺疾患は多く、バセドウ病や橋本病、甲状腺腫瘍、妊娠中の甲状腺機能異常などを診ています。
当院では、甲状腺ホルモンに加えて、バセドウ病や橋本病の診断に関わる甲状腺自己抗体を院内で迅速に測定できます。
検査結果をその日の説明や治療方針に生かせるため、症状の強い方にも迅速に対応できることが重要だと考えています。
―副腎の病気についても教えてください。原発性アルドステロン症の検査に力を入れていると伺いました。
中口:原発性アルドステロン症は、副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌され、血圧が上がる病気です。
高血圧の方の5〜10%ほどに認められると報告されています(※10)。
通常の高血圧と比べて心血管疾患や腎臓病などの合併症リスクが高いため、積極的に疑って検査することが大切です。
当院では、初診の高血圧の方には原発性アルドステロン症のスクリーニング検査をおこなっています。
疑わしい結果がみられた場合には、必要に応じて院内でカプトプリル負荷試験などの精査を進めます。
当院では、外来での薬物療法をおこなうことが多いですが、副腎静脈サンプリング(治療方針を決めるためのカテーテル検査)や手術が必要な場合には、連携医療機関へご紹介します。
また、クッシング症候群や褐色細胞腫が疑われる場合には、血液検査や蓄尿検査など、病気に応じて評価を進めます。
―尿路結石や骨粗しょう症の原因として見つかることのある原発性副甲状腺機能亢進症については、どのように対応していますか。
中口:当院では、血中カルシウム値と副甲状腺ホルモン(インタクトPTH)を院内で迅速に測定し、必要に応じて頸部エコーもおこないます。
核医学検査による詳しい評価や手術が必要な場合には、連携医療機関へご紹介します。
自覚症状に乏しく、健診の検査項目によっては見つからないこともあるため、疑わしい所見から必要な検査や診断につなげることを大切にしています。
だからこそ、疑わしい所見があれば必要な検査をおこない、診断につなげることが大切だと考えています。
※10:柴田洋孝「原発性アルドステロン症の診断と治療」日本内科学会雑誌 107巻9号、1761–1765頁(2018年)。原発性アルドステロン症は高血圧症の約5〜10%を占めるとされる。
標準医療を土台とするパーソナル医療

―診療の進め方として、大切にしていることを教えてください。
中口:診療の土台は、科学的根拠と国内外の診療ガイドラインです。
薬剤の使用にあたっては、国内の添付文書や保険診療上の条件も確認します。
ガイドラインに基づく標準医療を基本として、保険診療の中で患者さん一人ひとりの病状に合った診療・検査計画を立てる。
こうした診療を、当院では「パーソナル医療」と位置づけています。
標準医療と個別化医療は、相反するものではありません。
合併症や腎機能、体力、生活環境は一人ひとり異なります。
年齢だけで一律に判断せず、ガイドラインを基本に、実際の身体機能や生活の状況を踏まえて治療内容を検討します。
例えば糖尿病治療薬も、血糖値を下げるだけでなく、心臓や腎臓の合併症の予防や進行抑制まで見据えて選択しています。
検査値の意味、治療に期待できる効果、副作用や負担を説明し、医学的に推奨する検査や治療を理由とともに明確にご提案します。
疑問や不安に丁寧にお答えし、ご理解と納得のもとで治療を進めます。
デジタル化した検査結果や画像を患者さんやご家族と一緒に見ながら説明し、臨床検査技師、看護師、事務スタッフと連携して診療をおこなっています。
院内では生成AIを医学情報の検索・整理や説明資料の作成支援に活用し、全職員が研修を受けて適切な使い方を学んでいます。
個人情報の保護に配慮し、文献やガイドラインで根拠を確認したうえで、最終的な医学的判断は医師がおこないます。
知識や技術を継続して学び、診療や説明に生かしていきたいと考えています。
―生活習慣病の診療に欠かせない食事の指導はどのようにしていますか。
中口:栄養士は在籍していませんが、医師と看護師で食事の相談にも対応しています。
患者さんの病態や実際の食事内容、検査値に応じて、糖質量や主食の量などを調整するようお話ししています。
高血圧であれば塩分、脂質異常症であれば脂質の内容など、それぞれの病態に応じて診察の際に相談しています。
これまでの歩みと、クリニックでの診療

―中口先生ご自身の歩みと、当院に加わった経緯を教えてください。
中口:神奈川県出身で、研修医時代を含め、横浜市立大学および関連病院で十数年診療に携わってきました。
最後は横浜南共済病院で内分泌代謝内科の医長を務め、2023年から当院で診療しています。
病院勤務では重症患者さんの救急対応や入院診療に携わり、夜を徹して対応した方が無事に退院された時には、大きなやりがいを感じました。
糖尿病や内分泌疾患は急性期の治療だけでは完結せず、退院後の継続診療を通じて信頼関係を築けることにもやりがいを感じていました。
院長の診療方針に共感し、充実した検査体制のもとで、病院勤務で培った専門性を地域の継続診療に生かせると考え、当院に加わりました。
地域で専門外来を続け、関連する病気も含めて長く患者さんを診られることをありがたく感じています。
患者さんとの信頼関係を築きながら、継続して診療に携われることに、大きなやりがいを感じます。
健診での指摘を将来の健康のための行動につなげる

―最後に、お二人に伺います。症状のない病気と長く付き合っていく患者さんに伝えたいことは何でしょうか。
中口:高血圧や脂質異常症、糖尿病などでは、自覚症状の有無にかかわらず、定期的に病状を評価し、必要な治療を続けることが、将来の合併症の予防につながります。
バセドウ病や1型糖尿病なども含め、病気の原因や背景はさまざまです。
生活習慣だけで判断せず、専門的な評価を大切にしています。
当院のミッションは、循環器・糖尿病・内分泌疾患の専門診療を追求し、心不全・脳卒中・心筋梗塞などの重大な合併症を抑えることで、命を守り、後遺障害を予防し、健康寿命に貢献することです。
必要な検査と説明の時間を確保するとともに、院内環境や予約から会計までの流れを整え、待ち時間や通院に伴う負担にも配慮しています。
健診で異常を指摘された方には、症状がなくても早い段階でご相談いただきたいと思います。
すでに治療を受けている方にも、合併症の予防や進行の抑制を目指し、将来の健康を守るために継続して相談する場所として、当院を考えていただければと思います。
源河:当院は開院以来、必要な診察と検査に基づいて病状を評価し、科学的根拠のある治療を続けるという方針のもとで、診療体制を改善してきました。
症状がなくても、病気の進行や合併症のリスクに目を向け、治療目標を達成できているかを確認することが大切です。
変化を見逃さず、必要なときには治療を見直し、その理由を患者さんと共有する。
その積み重ねによって、5年後、10年後の健康につなげたいと考えています。
ご自身の病状と治療の意味を理解し、私たちとともに長期的な健康管理に取り組みたいと考える方に、選んでいただけるクリニックであり続けたいと思います。
源河院長は、米国で抱いた疑問を帰国後も考え続け、「医療はシステムである」という考えに行き着いた。
その考えを形にしたのが、ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島だ。
理念に共感した中口医師が加わり、循環器と糖尿病・内分泌を横断して診る体制を築いている。
専門職それぞれの知識や経験を生かし、検査、予約、説明、診療情報が連動する仕組みを整えることで、診療のばらつきや見落としを減らそうとしている。
2018年の開院以来、診療現場のデータを見ながら改善を重ねてきた。
その緻密さに触れるほど、高校時代の源河院長に対する親友の「モノよりも人間を相手にする方が合っている」との評が印象を強めていく。
源河院長が目指すのは、1回の受診で得られる医療の価値を高め、患者・家族が納得して治療を続けられ、医療者も専門性を発揮しながら働き続けられる外来診療の仕組みだ。
ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島について

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| クリニック名 | ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島 |
| 院長 | 源河朝広(げんか ちょうこう) |
| クリニック紹介 | 2018年4月開院。医療法人社団慧心メディカルが運営する、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、生活習慣病(高血圧症・脂質異常症)の専門クリニック。完全予約制で、専門医と多職種が連携し、必要な院内検査、当日の評価・治療判断、結果説明をおこなう。ガイドラインに基づく標準医療を土台に、保険診療の中で一人ひとりの病状に合う診療・検査計画と受診間隔を設定する「パーソナル医療」を特色とし、将来の健康を支える継続診療を目指す。 |
| 所在地 |
〒223-0052 神奈川県横浜市港北区綱島東4-3-17 アピタテラス横浜綱島2F |
| アクセス |
東急東横線「綱島駅」・東急新横浜線「新綱島駅」徒歩約10分 アピタテラス横浜綱島の駐車場(無料・約900台)を利用可 |
| 電話番号 | 045-717-7705 |
| 診療時間 |
月〜金 9:00〜12:30/14:00〜16:30 土 9:00〜12:30/14:00〜16:00 (受付は各診療終了30分前まで) 休診:日曜・原則第5週の全日 |
| Webサイト | https://hmc-gen.jp/ |
| ご予約 | 完全予約制。電話またはWebから予約 |