大学の研究室を丸ごと招聘した、“鮮度”への執念。銀座よしえクリニックが、再生医療の透明性の確保に挑む理由
「再生医療」という言葉を耳にする機会が急速に増えた。
自身の血液や細胞の力を利用し、若々しい肌印象や毛髪再生を目指すこの治療法は、美容医療の新たなスタンダードになりつつある。
しかし、その“中身”について、私たちはどれだけ正確に知っているだろうか。
クリニックで採取された細胞はどこへ運ばれ、誰がどのような環境で加工し、どのくらいの時間をかけて手元に戻ってくるのか。
そのプロセスが患者側からは見えにくい現状になっていることに、一人の医師が強い警鐘を鳴らした。
「銀座よしえクリニック」総院長、廣瀬嘉恵氏である。
都内を中心に8院を展開し、年間来院者数は延べ10万人に上る。
日本の美容皮膚科の黎明期から20年以上第一線を走り続ける彼女が、なぜ莫大なコストをかけてまで自前の細胞培養加工施設(CPC)を持つことにこだわったのか。
そこには、研究者出身の医師だからこそ抱いた、日本の再生医療に対する強烈な違和感と、患者への誠実さを突き詰めた末の覚悟があった。
年間10万人が頼る「美容のかかりつけ医」。その原点は“町医者”への思い
―年間10万人もの患者様が来院されると伺いました。これほどの支持を集める理由はどこにあるとお考えでしょうか。
廣瀬:数字だけを見ると驚かれるかもしれませんが、私たちは特別な魔法を使っているわけではありません。
ただひたすらに、リスクを最小限に抑え、徹底した品質管理のもとで効果を出していくという「真面目な医療」を、20年以上積み重ねてきた結果だと思っています。

当院は、基本的にメスを使わずにエイジングケアを目指す「総合美容皮膚科」です。
シミやシワ、たるみをとるといった治療から、ニキビ跡の改善、薄毛や白髪の治療、さらには痩身まで、身体の悩みをトータルでサポートしています。
患者様の年齢層は20代から70代までと非常に幅広く、中心となるのは40代、50代の方々です。
最近は30代の方や60代の方も増えてきており、親子で通ってくださる方も珍しくありません。
私たちが目指しているのは、美容外科のように一度の手術で劇的に変えて終わり、という関係性ではありません。
エイジングケアというのは、一度治療をして終わりではなく、加齢とともに一生付き合っていくものです。
だからこそ、患者様の人生に長く寄り添う「美容のかかりつけ医」でありたい。
そのために、チーム全体でサービスのクオリティを高め、来院された1〜2時間でいかに満足感を高めていただけるかということに力を注いできました。

―もともとは、大学病院で研究をされていたそうですが、なぜ美容皮膚科という当時はまだ新しかった分野を選ばれたのですか。
廣瀬:私の医師としての歩みは、少し変わっているかもしれません。
出身は中国で、現地の医科大学を卒業しました。
実は最初から医師になりたかったわけではなく、家族がエンジニアばかりだったので自分も工学部に行くものだと思っていました。
しかし、母が「家族に一人くらい医者がいた方がいい」と強く勧めたことで、医学の道に進むことになったのです。
卒業後は中国で小児科医として働いていましたが、その後日本に留学し、東京大学の大学院で免疫などの研究を中心に行い、博士課程を修了しました。
その後は聖マリアンナ医科大学の難病治療研究センターで研究員として勤務していました。
しかし、やはり臨床医として患者様と直接関わりたいという思いが強くなり、猛勉強をして1998年に日本の医師国家試験に合格し、医師免許を取得しました。
もともと免疫の研究をしていたこともあり、当初は皮膚科ではなく、内科で糖尿病の専門医になろうと考えていました。
ところが、ちょうどその頃に私自身が出産を経験しました。
そこで、免疫とも深く関わりがあり、かつ家庭との両立がしやすい皮膚科を選ぶことにしました。
東邦大学医療センター大橋病院の皮膚科に入局したのですが、そこで運命的な巡り合わせがありました。
当時の助教授であった漆畑先生が、日本美容皮膚科学会を立ち上げた中心人物の一人だったのです。
「大学病院の中にも美容皮膚科を作っていこう」という機運が高まっており、その具体的な実務のリーダーとして、私が抜擢されました。
当時は「美容皮膚科」という概念そのものがまだ黎明期で、私自身「それは一体何ですか?」という状態からのスタートでした。
調剤薬局で様々な試薬を自分たちで研究しながら作り、少しずつ治療の手段を確立していく。
そんな手探りの日々の中で、美容医療の面白さと奥深さに魅せられていきました。

―そこから独立され、ご自身のクリニックを開業されるまでのことについてもお聞かせください。
廣瀬:私は日本の大学の出身ではないこともあり、大学病院にずっと残って教授を目指すといった競争思考は最初から持っていませんでした。
それよりも、地域に根ざし、患者様にしっかりと寄り添う町医者になりたいというのが根底にある思いでした。
ですから、2003年5月に大田区の大岡山で最初のクリニックである「ひろせ皮フ科」を開業した時も、美容を中心にするつもりはなく、ごく普通の一般皮膚科としてスタートしたのです。
ところが、いざ開業してみると、大学病院時代に培った美容医療のニーズが想像以上に高かったのです。
「大学病院では予算の都合で許可が下りなかった新しいシミ取りレーザーも、自分のクリニックなら患者様のために導入できる」。
そう気づいてからは、より良い治療の選択肢を増やしたい一心で設備投資を重ねました。
そうして患者様のお悩みに応え続けていくうちに、翌年には品川に分院を出し、法人化し、2012年には銀座院を開院して「銀座よしえクリニック」としてブランドを統一するに至りました。
気づけば8つのクリニックを構えるまでになっていた、というのが正直なところです。

他人の作った細胞で、本当に責任が持てるのか。「見えないリスク」への不安
―銀座よしえクリニックが最も強みとして力を入れているのが「再生医療」だと伺いました。多くのクリニックが再生医療を謳う中で、独自の「細胞培養加工施設(CPC)」を持っているのは非常に稀です。なぜそこまで自社施設にこだわられたのでしょうか。
廣瀬:日本の再生医療は、2012年に京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことからも分かるように、世界的に見ても非常にレベルが高く、リードしている分野です。

しかし、以前は明確な法律がなく、提供する医療機関によって品質の基準が定まっていないという課題がありました。
転機となったのは、2014年に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」という新法ができたことです。
厚生労働省の許可がないと細胞の加工が行えなくなり、国の監督の下で厳格な基準に則った状態で行うためのルールが確立されました。
これは患者様を守るためにとても良いことだと思い、当院でも本格的に力を入れて提供しようと考えたのです。
しかし、いざ外部の業者から再生医療の材料を仕入れようと調べれば調べるほど、一人の医師としてどうしても拭えない不安要素に直面しました。
それは、「他人が作った製品が、一体どのように作られ、品質がどう保たれているのか、確認のしようがない」という事実です。
例えば、幹細胞を培養する過程で、細胞から放出される成長因子が溶け込んだ「培養上清液(ばいようじょうせいえき)」というものがあります。
これを臨床で使うのですが、外部から提供される培養上清液の価格は、本当に大きな開きがあるのです。
外部の業者から提供される培養上清液などの材料は、価格や製造工程が様々です。
外部から仕入れる以上、その製造過程や品質管理のすべてを自らの目で完全に把握することは困難です。
分からないもの、出処が不透明なものを、安易に患者様の体に投与することは絶対にできない。
どれだけ言葉で飾られていても、ドクターとして責任を持って提供することはできません。
それならば、自分たちの手で、中身が完全に把握できるものを作るしかない。
そう決意したのです。
そこで、自前でラボ(CPC)を作るという大きな決断をしました。
ただ、当然ながら私やスタッフだけの力では専門的なラボを作ることは不可能です。
どうすべきか悩んでいた2016年頃、かつて私が在籍していた聖マリアンナ医科大学の研究室時代にご縁があった、再生医療教室の井上先生とたまたま再会する機会がありました。
「患者様に本格的に再生医療を提供したいが、どうすれば品質の確かなものを届けられるか」と相談したところ、先生が大学の再生医療のラボを案内してくださったのです。
想像していたよりもコンパクトで洗練されたラボを見て、「これなら、私たちのクリニックでも作れるでしょうか」と尋ねると、井上先生は「いいですよ。僕が指導しましょうか」と快諾してくださったのです。
再生医療の最前線にいる専門家の教授が直接指導をしてくださる。
これほど心強く、患者様への責任を果たせることはありません。
そこから計画を立て、大学と全く同じような高い水準のラボを都立大学に作りました。
さらに幸運なことに、ラボが完成して2年ほど経った2018年、井上先生が大学を退官されるタイミングで、なんと大学の再生医療チームの研究員ごと、丸ごと当院のラボに移籍してきてくださったのです。

現在もそのチームが当院のラボを運営しています。
つまり、大学病院の高度な再生医療チームと、彼らが持っていた特許技術が、そのまま私たちのクリニックのバックボーンになっているのです。
これこそが、銀座よしえクリニックの大きな特長とこだわりであり、患者様への「リスクに配慮した医療を提供するための基盤」だと自負しています。
冷凍はしない。「2時間以内に届けられる距離」でしか展開しない鮮度への執念
―自社でラボを持つことで、外部委託とは具体的にどのような違いが生まれるのでしょうか。
廣瀬:最大のメリットは「鮮度と品質を高く保てること」です。
あまり知られていないことですが、細胞は生き物です。
そのため、品質を保証する上で最も重要なのが「時間」と「温度管理」なのです。
いくら外部の素晴らしいラボで高品質な細胞が作られたとしても、それがクリニックに届くまでの輸送時間が長ければ長いほど、細胞は確実にダメージを受けます。
少しの温度変化でも死滅してしまうほどシビアな世界なのです。
私たちはその事実を誰よりも理解しているからこそ、実は意図的に全国展開をしていません。
現在8院を展開していますが、そのすべてが都心や横浜など、アクセスの良い場所に集中しています。
すべては、都立大学にある自社のラボから2時間以内に届けられる範囲にクリニックを配置するためです。
最も遠い横浜院でも1時間強で到着します。
この2時間というタイムリミットを厳守することで、私たちは細胞を冷凍(フリーズドライ)することなく、「生の細胞」のまま患者様に届けることができるのです。

―他院では、PRP(多血小板血漿)などをフリーズドライ化して保管しているところもあると聞きます。生であることのメリットは何でしょうか。
廣瀬:フリーズドライは長期保存が効くという運営側のメリットはありますが、やはり加工の過程で、熱や乾燥によって失われてしまう「成長因子」が少なからず出てきます。
細胞から分泌される成長因子には何百種類もあり、コラーゲンなどを生み出すFGFや、血管の内皮細胞を修復するVEGFなど、それぞれが重要な働きをして、加齢でダメージを受けた組織を修復し、再生させます。
生のまま届けることで、これらの成長因子の活性を極力損なうことなく、高い活性を保った状態で患者様の体に届けることができるのです。
もちろん、患者様のご要望に合わせてフリーズドライを作ることも可能ですが、基本的には生のまま、最もフレッシュな状態で提供することに強いこだわりを持っています。
一人ひとりの血液に合わせた「オーダーメイドのPRP」。その確かな実感
―現在、クリニックで主に提供されている再生医療のメニューについて教えてください。
廣瀬:主に二つの柱があります。
一つは、ご自身の血液から血小板を濃縮して抽出する「CPC-PRP」治療です。
もう一つは、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを生み出す「線維芽細胞」をご自身の皮膚から採取し、ラボで何千万倍にも培養して増殖させ、再び肌に戻す治療です。
PRPの抽出に関して、当院では採血した血液をすべて自社のCPCに運び、専門の研究員が手作業で抽出・加工を行っています。
―市販のキットを使うのと、CPCで研究員が抽出するのとでは、どのような違いがあるのでしょうか。
廣瀬:2025年の12月20日の行われた学会(「第15回DDS再生医療研究会」「第17回多血小板血漿(PRP)療法研究会」)でも発表させていただいたのですが、当院がこだわる、それぞれの患者様の状態に合わせた質の高いPRPを抽出することが可能です。

人間の血液の成分は、一人ひとり全く異なります。
赤血球の量も、血小板の質も、その日の体調によっても変わります。
当院のCPCでは、一人ひとりの血液の状態を研究員が顕微鏡レベルで確認し、その血液に最も適した調整を行いながら、オーダーメイドで高品質なPRPを抽出しています。
だからこそ、それぞれの患者様に適したPRPを提供できるのです。

―それらの治療は、具体的にどのような患者様のお悩みに効果があるのでしょうか。
廣瀬:お顔への注入であれば、加齢によって萎んでしまった皮膚を再生させ、弾力を取り戻すことで、シワの改善や予防、たるみの引き上げ効果が期待できます。
また、頭皮に注入することで、毛髪の再生を促す治療も行っています。
白髪に関してもよくご相談を受けます。
毛根に存在する色素細胞の働きが加齢で弱まることが白髪の原因の一つです。
そこにPRPや線維芽細胞を投与することで、細胞の働きが活性化し、白髪の進行を抑えたり、一部が改善したりするケースが実際に確認されています。
毛髪全体が元気になる、という点では大きな期待が持てるアプローチです。

―注射をしてから効果が現れるまで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。また、どのくらいの頻度で通う必要があるのか教えてください。
廣瀬:再生医療は自分の細胞が組織を修復していく過程を経るため、ヒアルロン酸注射のように打ってすぐに物理的に膨らむわけではありません。
効果を実感し始めるまでに、大体2週間から1ヶ月程度かかります。
通う頻度ですが、基本的には年に1回か、多くても2回を目安としています。
もちろん、中には費用を気にされず「毎月やりたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
リスクが比較的少ないため、毎月打つことそのものを否定することはありません。
しかし、私たちから過剰な頻度を推奨したり、無理なアップセルをしたりすることは決してありません。
年に1、2回が適切であれば、そのように正直にお伝えします。
患者様が求めているのは「リスクを極力抑えた上で、悩みを解決すること」です。
利益のために不要な治療を勧めるようなことは、私たちが最も大切にしている「患者様との信頼関係」を崩す行為ですから、絶対にやってはいけないことだと考えています。

合格するまで現場には出さない。最低3ヶ月の研修が担保する品質
―クリニックが増えていく中で、グループ全体でクオリティをどのように担保していらっしゃるのでしょうか。
廣瀬:だんだんとスタッフや院の数が増えていく中で、クオリティをきちんと保っていくことは大きな課題として常に取り組んできました。
当院の組織内には「教育部」という専門の部署があり、専任の教育スタッフを配置しています。

新しく入職したスタッフが、いきなり患者様の前に立つことはまずありません。
まずは教育システムに則り、一つひとつの技術や知識をしっかりと覚えてもらいます。
そして、すべての項目で合格をもらってから初めて、現場に出るというシステムを徹底しています。
最低でも最初の3ヶ月間は研修期間として設けています。
もちろん、人によって覚えるペースには差がありますので、習熟度によってはさらに研修期間を延長することもあります。
患者様に信頼していただくためには、美容皮膚科や再生医療に関する基本的な知識と技術は絶対に必要です。
しかし、それだけではまだ物足りません。
私たちは、しっかりとしたおもてなしの心や接客の心構えといった「接遇面」も非常に大事にしています。
そのため、私たちの基準は割合と厳しいと言われることも少なくありません。
途中で「自分には向いていない」と判断して辞めていかれる方もいるほどです。
しかし、お互いに無駄がないようにするためにも、現場でしっかりとやっていけるレベルに達するまでは、徹底してスキルを磨いてもらう必要があります。
―スタッフの方だけでなく、実際に施術を行うドクターについても同様の研修があるのでしょうか。
廣瀬:ドクターも全く同じです。
ドクターの場合も、各治療メニューの操作や知識について練習を重ね、教育部のチェックを経て合格をもらってから、初めて患者様の施術に入ります。
美容医療の世界は日々新しい機械や薬剤が登場します。
そのため、定期的にメーカーを呼んで勉強会を開催したり、勉強会後もきちんと技術が定着するまでトレーニングを行ったりと、現場に出てからも常にアップデートを図っています。

正しい「診断」なくして治療なし。美容外科とは異なる、人生に寄り添う伴走
―初めて来院された患者様に対して、具体的にどのようなステップで診療を進められているのでしょうか。
廣瀬:美容外科の場合は、「二重にしたい」「鼻を高くしたい」と1回の手術で完結することが多いですが、私たちのエイジングケア治療は、長く続くお付き合いになります。
だからこそ、最初の入り口が最も重要です。
ご来院いただいたら、まずは「コンシェルジュ」と呼ばれる専門のスタッフがヒアリングを行います。
患者様が何に悩んでいるのか、どんな不安を抱えているのかを、寄り添うように丁寧に聞き取ります。
その後、医師による診察を行い、最適な治療を提案して、金額やリスクも含めてしっかりとご説明します。
そして、最終的に患者様ご自身に納得して決断していただいてから、治療に入ります。
受付からコンシェルジュ、医師、看護師と、複数のスタッフが連携して一人の患者様を担当するため、カルテの記載を徹底し、チーム全体で情報を共有し合うことをとても大切にしています。

当院では、何よりもまず医師による診察に十分な時間を割くことを大切にしています。
コンシェルジュのヒアリングは5分程度で要点をまとめ、すぐに医師の診察にご案内することもあります。
なぜなら、医療において最も重要なのは、医師による「正しい診断」だからです。
例えば、患者様がヒアリングの段階で「ここのシミを取りたいんです」とおっしゃったとします。
しかし、医師が診察してみると「これはシミではなく、イボ(脂漏性角化症)ですよ」ということが日常茶飯事として起こります。
シミとイボでは、使うレーザーも治療法も全く異なります。
診断が間違っていれば、カウンセラーがどれだけ長い時間をかけてお話ししても、全く意味がありませんし、効果も出ません。
だからこそ、私たちはヒアリングに過剰な時間をかけるよりも、まずは医師がしっかりと診察をして正しく診断を下し、医学的根拠に基づいた提案をすることに圧倒的な重きを置いているのです。
廊下で泣き崩れる患者を救いたい。黎明期から変わらぬ「目の前の人を助ける」使命

―徹底して患者様目線に立ち、品質と効果を追求する廣瀬院長のその真摯な姿勢は、どこで培われたのでしょうか。
廣瀬:私の医師としての原体験は、中国で小児科医をしていた頃に遡ります。
当時、私が担当していた新生児の中に、1000グラムちょっとしかない、極めて小さな未熟児の三つ子の赤ちゃんが運ばれてきました。
当時の中国は一人っ子政策の時代でしたから、三つ子が生まれたということは、その家族にとって奇跡のような、ものすごく喜ばしい出来事だったのです。
しかし、あまりにも小さく状況も芳しくなかったため、周囲の医師たちは「生き延びるのは無理だろう」と諦めかけていました。
それでも、ご家族の「どうか助けてほしい」という切実な願いを受けて、私は毎日つきっきりでケアをしました。
少しずつ、少しずつミルクを飲めるように訓練し、1ヶ月かけてようやく自力で飲めるようになり、無事に退院の日を迎えることができたのです。
その時のご家族の涙を流して喜ぶ姿は、今でも鮮明に覚えています。
「医師として、目の前で困っている人を助けることができれば、こんなにも人に喜んでもらえるのか」。
その強烈なやりがいが、私の医師としての確固たる基盤になりました。
その小児科時代の「何とかしてあげたい」という強い思いは、今の美容皮膚科での診療にも通じています。
また、東邦大学で美容皮膚科を立ち上げたばかりの頃にも、私の原点となる忘れられない出来事があります。
当時、肌のキメの粗さや毛穴の開きに深く悩んで受診された方がいらっしゃいました。
しかし、その頃はまだ美容医療の選択肢が非常に乏しく、医療機関を受診しても「これ以上の治療は難しい」と判断されてしまうことが珍しくない時代でした。
診察を終え、打つ手がない現実に深く落胆されている患者様の姿を目の当たりにした時、私はどうしてもそのままお見送りすることができませんでした。
私は思わず声をかけ、「まだ研究段階ですが、私が自分の肌で試している『ケミカルピーリング』という方法があります。もしよろしければ、一緒に取り組んでみませんか」と提案させていただいたのです。
この出来事を通じて、治療法がないと諦めかけている方に対して、自らの研究と知識を尽くして新しい選択肢を提示していくことの重要性を痛感しました。
科が変わっても、時代が変わっても、「目の前で深く悩んでいる患者様のために、自分ができる限りの解決策を探し出したい」という思いは、医師になった日から何も変わっていません。
「銀座よしえ」だからできること。10年、20年先の美しさを見据えて

―最後に、今後のクリニックの展望と、美容クリニック選びに悩む読者へのメッセージをお願いします。
廣瀬:今後の展望としては、やはり私たちが誇りに思っている「自社ラボによる再生医療」という強みをさらに磨き上げ、より多くの方へリスクに配慮した質の高い医療を提供し続けることです。
そして、「銀座よしえクリニックに来て本当に良かった」と心から感じていただけるよう、医師、看護師、コンシェルジュを含むチーム一丸となってブランド力を高め、患者様の思いに応えられるよう努力を重ねていきます。
現在、SNSなどでは過激な広告や派手なビフォーアフターが溢れ、どのクリニックを選べばいいか迷われている方も多いと思います。
私たちのクリニックは、そうした流行りの派手なパフォーマンスは行っていません。
一見すると地味に見えるかもしれません。
しかし、患者様の悩みに親身になって耳を傾け、医学的根拠に基づいた適切な提案をし、真摯に向き合っていくという誠実さをもって、患者様と向き合い続ける覚悟があります。
「切らずに、長く続く美しさのために伴走してほしい」。
そう願う方は、ぜひ一度、当院にご相談にいらしてください。
私たちが総力を挙げて、ご満足いただけるようサポートさせていただきます。

「他人が作った細胞は、製造過程が担保できないから使わない」。
廣瀬院長のこの言葉には、美容医療業界が抱える矛盾を鋭く突く、研ぎ澄まされたメスのような響きがあった。細胞の品質管理を外部に委ねるという選択肢もある中で、彼女はあえて情熱を注ぎ、大学病院の再生医療チームを丸ごと招聘し、自らの目の届く環境を構築する道を選んだ。
「鮮度が命」だからと、輸送に2時間以上かかる場所には決してクリニックを作らないという徹底ぶりには、もはや執念すら感じる。
小児科医時代に1000グラムの命を救った原体験、そして、廊下で泣く患者に救いの手を差し伸べた黎明期の記憶。彼女の根底に流れているのは、最先端のビジネスマンとしての計算ではなく、目の前の痛みを取り除きたいという、あまりにも純粋な、町医者としての愛情だ。
「多少地味ですけれども」。インタビューの終わりに廣瀬院長はそう謙遜して笑った。
美容医療が多くの人にとって身近な選択肢となった今の時代において、その「地味で真摯な誠実さ」こそが、年間10万人の患者が彼女を信頼してやまない、最も輝かしい理由なのだろう。
医療法人社団優恵会 銀座よしえクリニックについて

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 取材・撮影 | 銀座よしえクリニック六本木院 |
| 総院長 | 廣瀬 嘉恵(ひろせ よしえ) |
| 院長(六本木院) | 淺井 友美子(あさい ゆみこ) |
| クリニック紹介 | 2003年の開院以来、メスを使わないエイジングケアを追求する「総合美容皮膚科」。都立大学院内に大学病院準拠の設備と専門チームを擁する独自の細胞培養加工施設(CPC)を完備。鮮度と温度管理にこだわり、自社ラボから2時間以内に細胞を届けられる都心エリアのみで8院を展開。徹底した品質管理のもと、効果を追求した高品質な再生医療(CPC-PRP、線維芽細胞治療など)を提供し、年間約10万人の患者に寄り添う「美容のかかりつけ医」として大きな支持を集めている。 |
| 所在地(六本木院) |
〒106-0032 東京都港区六本木7-17-28 YUビル |
| アクセス(六本木院) |
東京メトロ日比谷線「六本木」駅【2番出口】から徒歩3分 都営大江戸線「六本木」駅【4b番出口】から徒歩5分 東京メトロ千代田線「乃木坂」駅から徒歩7分 |
| 電話番号(総合) | 0120-398-885 |
| 診療時間(六本木院) |
平日:10:00〜14:00 / 15:00〜19:00 土日祝:10:00〜14:00 / 15:00〜18:00 |
| Webサイト | https://www.ginzabiyou.info/ |
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